第44話

 シルクよりも先にハイフェアリーを倒した場所に戻った俺は、シルクが来るまでの間にハイフェアリーが落としたカードや拾ったフェアリーのカードの確認を行なっていく。


 フェアリーのカードは通常ドロップの妖精の粉が大半で、1つだけレアドロップの妖精の翅がドロップしていた。


 ハイフェアリーは通常ドロップだろうハイフェアリーの光粉と言うアイテムだ。効果としては身体に振りかける事で魔法攻撃に対する防御力を上昇させてくれるそうだ。


 「ご主人様、これです。」


 「ん、ありがとう。」


 戻ってきたシルクから渡されたフェアリーのカードを確認するが、レアドロップ以上のアイテムはカードに書かれていなかった。


 最低でも最終的に20匹は超えていたと思うフェアリーたちを倒してレアアイテムがドロップしたのが4枚ならそこそこの成果だろう。


 そしていよいよ本命の宝箱だ。一応、シルクが罠があるのか分からないが確認してから宝箱を開けていく。


 「これは剣だな。」


 「良かったですね。ご主人様。」


 「うん。」


 今の俺が使っている鉄の剣よりも強そうな剣が手に入った。ブランクカードで確かめると、カードには薄い緑色の刀身の剣の絵が写し出されていた。


フェアリーソード

攻撃力 64

効果 【エレメントソード】【斬撃強化(小)】【魔法強化(小)】【魔力強化(小)】【魔法媒体】


 フェアリーソード、なかなか良い性能をしている。鉄の剣とは大違いだ。それにシルクの月狼牙の【ムーンスラッシュ】と同じで武器に【エレメントソード】の武技が追加されている。


 これで俺にも必殺技みたいな攻撃が使える様になった。それに【魔法媒体】の効果で杖系の武器でなくても魔法を通常よりも強く魔法が使えるのも良いところだ。


 まあ、そこは俺が魔法を使える様にならないと効果を発揮する事が出来ないが、フェアリーソードを使っている間に魔法を覚える事はそのうちに出来るだろう。


 鉄の剣とフェアリーソードを交換して鞘から引き抜いたフェアリーソードはカードの絵と同じく綺麗な薄緑色をしていた。


 俺はフェアリーソードを振るってみる。剣自体の重さは鉄の剣よりも軽くて振りやすい剣だ。


 刀身の幅も短く厚みもそこまでない。フェアリーソードでの防御は壊される危険もあるのでここぞの時以外は防御に使うのは止めて置いた方が良いだろう。


 「シルク、帰ろうか。」


 「はい。」


 フェアリーソードを鞘に戻して、俺はメニューの鍵束からマイルームキーを取り出すとマイルームに帰還した。


 いつも通りにシルクとお互いに身体を綺麗にしたお風呂上がり後、シルクが夕食作りをしている間に俺は今日の成果を確認する。


 パパッと手に入れたアイテムの内、売却しても良さそうな物は一部を残して売却すると、今回の探索で消費したアイテムを購入していく。


 それが終わればマイルームキーを取り出す時に点滅していた妖精の花園の鍵を確認する。多分だが攻略報酬があるはずだから。


名前:妖精の花園の鍵

攻略推奨レベル:5〜10

攻略条件:8階層のボスモンスターの討伐

説明:妖精国のある妖精の生まれる花が咲く花園の一つを写し取った鍵

報酬:妖精花の花壇 10万ポイント


 妖精花の花壇は妖精が生まれない妖精花が育つ花壇らしい。妖精花を売却してポイントに変えられる売却用の設備の様だ。


 大きさ的にマイルームの広間に設置も可能な様だから設置してみよう。


 他にも10万ポイントのポイントが手に入った。このポイントだけでも全然嬉しい。


 これだけのポイントを何に使おうかを考えるだけでも楽しそうだ。このポイントの使い道はシルクと夕食の時にでも話して決めよう。


 「ご主人様、出来ましたよ!」


 「うん、分かった!」


 丁度良いタイミングだ。配膳しているシルクを手伝って夕食を食べながら色々とシルクと話さないとな。

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