第39話
無限ダンジョンの攻略から翌日、俺とシルクは妖精の花園の鍵を使って妖精の花園へと転移する。
「ここが妖精の花園……すごいな。」
「そうですね。本当に綺麗なところですね。」
俺もシルクも妖精の花園の景色に見惚れていた。色んな色の花が咲き乱れ花びらが舞っている。そんな足場もない花園を進んでこれから攻略する事になる。
「いつまでも見てないで行こうか、シルク。」
「そうですね。攻略が終わるまで当分は見ることになる景色ですし。」
赤色、青色、緑色、黄色、白色、黒色の六色の花が咲いている花園を俺とシルクは歩いて行く。
歩いていると早速モンスターに遭遇する。だが、そのモンスターは妖精ではなかった。
「蜂のモンスターか。数は1匹だけど油断せずにやろう。シルク、まずは投擲で攻撃してくれ。」
「分かりました。」
1本の投擲用ナイフを取り出したシルクは狙いすまして蜂のモンスターに投擲した。
蜂のモンスターの胴体にシルクの投擲したナイフが突き刺さる。すると、蜂のモンスターはこちらに気が付いた様子を見せながらフラフラと飛んでくる。
ラビットやウルフも胴体にシルクの投擲したナイフを受けてもすぐには死ななかったが相手は虫系のモンスター、獣系モンスターよりもすぐには死ななそうだ。
今もナイフの先端が貫通するほどに突き刺さっているにも関わらず、あの蜂のモンスターはフラフラしながら俺たちの元へと飛んで来ているのがその証拠だろう。
でも俺たちの元に来るまでの間にだいぶ弱っているのか、俺が蜂のモンスターに鉄の剣を振るって攻撃すれば、それだけで蜂のモンスターは地面に落ちて踠いている。
「まだ生きているのか!?」
「まさか頭が潰れてもすぐに死なないとは思いませんでした。しぶといですね。」
胴体や足を動かして先端にある針を空中に突き刺している蜂のモンスターのあまりのしぶとさに驚愕してしまう。
胴体を何度か突き刺してようやく蜂のモンスターは動きを止めた。
「フェアリービー、それがコイツの名前みたいだぞ。これで妖精なのか?」
「妖精ではないですよ。これでも私も妖精の一種ですからね、それくらいは分かります。」
名前の由来は分からないが妖精の花園の鍵の初めての討伐したモンスターはフェアリービーだった。
そしてドロップしたカードを拾えばカードに描かれていた絵は黄色の球体。名前はフェアリービーの花粉玉という名前だ。
フェアリービーの花粉玉
効果 MP20回復
食べる事でMPを回復するフェアリービーが妖精花の花粉を集めて作った花粉の玉
カードに書かれていた説明ではどうやら食べる事で効果の発揮する回復アイテムの様だ。
今のところはMP回復をする様な攻撃はないし、シルクが工夫して生活魔法を使っているがその頻度も低いため、フェアリービーの花粉玉は使うことはないだろう。
カードから出したら花粉が手に付きそうだからと、俺はそのままカードでインベントリに仕舞うと探索を再開する。
空中をブンブンと飛び回っているフェアリービーの姿が空を見上げれば目に付くのだが、まだ俺たちは他のモンスターの姿を見ていない。
このまま再度俺たちはフェアリービーと戦うことになるのかと思っていた時、シルクが立ち止まって俺を静止する。
「シルク、どうしたの?」
「敵です。どうやら隠れている様ですね。そこです!!」
シルクがモンスターの存在に気が付いたのか、モンスターが隠れていると思われる場所に向けて投擲用ナイフを投擲した。
投げられたナイフは綺麗に咲いている花の1本に命中しそうになるタイミングで、突如花は大きさを変えて葉っぱでナイフを弾こうとして来たのだが、シルクの投擲したナイフを葉っぱは弾けずにそのまま茎にナイフは突き刺さる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます