第26話
「なんだ?ラビットに角が生えてるぞ。」
「あれはユニークモンスターですね。」
「ユニークモンスター?」
俺の疑問に答えるようにシルクはユニークモンスターの説明を始めた。
ユニークモンスター、それはダンジョン内に通常は滅多に現れない強いモンスターで倒せば確実に宝箱がドロップするのだそうだ。
ユニークモンスターのドロップするカードは特殊な装備品をドロップする可能性が高く手に入れれば、今後の無限ダンジョンの攻略にも役に立つとシルクは言う。
他にもネームドモンスターと言う名前があるモンスターもおり、こちらも現れるのは稀なモンスターだ。
ユニークモンスターと同じで宝箱を確実にドロップし、カードはスキルオーブがドロップする可能性が高いそうだ。
今回はそのユニークモンスターと俺たちは遭遇したと言うことだ。
そんなシルクの説明を聞いている間にユニークモンスターの角の生えたラビットが俺とシルクに気が付いた。
「通常のモンスターよりも強いモンスターです。油断しないでくださいね。」
「ああ、分かった。」
鞘から鉄の剣を抜いて鉄の盾を構えると、俺は角を向けながら向かってくる角が生えたラビットを見据える。
いつでも防げるように構えていると、俺の後方からシルクが投擲攻撃を行ない始めた。
投げられた1本のナイフを横に飛んで躱す角の生えラビット。回避されても続けて投擲は行なわれる。
1本、2本、3本と続けて投擲されるが角の生えラビットはピョンと飛んで躱してしまう。
「もう分かりました。」
シルクは残りの投擲用ナイフを全て連続で投擲を行なうと、1本2本と躱す角生えラビットが躱した場所に残りの投擲用ナイフが突き刺さる。
「ギュウッ!?」
グサグサと4本の投擲用ナイフが次々に突き刺さり、角生えラビットの身体には4本のナイフが突き刺ささった。
それでもまだ敵意を向ける角生えラビットだが、既にその身体を満足に動かすことは出来ないほどのダメージを受けている。
「あれで死なないのか。」
「ユニークモンスターですからね。私たちが今まで戦ったモンスターよりも能力値が高いのでしょう。」
「それで死に切らないんだな。」
投擲用ナイフの攻撃力は低い。それでもユニークモンスターの角生えラビットに突き刺さりダメージを与えられているのはラビット系のモンスターの防御力が低いからだろう。
だからこそあそこまで4本も突き刺さっているのだろうが、それでも死なないのはHPがユニークモンスターで高いのが影響しているのだと思う。
「トドメを刺すぞ。」
「油断はしないでくださいよ。」
「分かってる。」
身体の前足や後ろ足にナイフが刺さったせいで身動きがそれほど取れない角生えラビットに接近した俺は、鉄の盾で身をいつでも守れるようにしながら鉄の剣を突き刺していく。
グサリ、グサリと鉄の剣を突き立てるが思ったよりもこの角生えラビットはしぶとく生きている。
ジタバタさせている角生えラビットを殺せたのはそれから3回鉄の剣を突き刺してからだった。
そして角生えラビットは光の粒子に変わって消えていくと、その場には宝箱が1つとカードが置かれていた。
「本当に出たな、宝箱。シルクが戻って来る前にこれだけでも確認するか。」
投擲用ナイフを拾って宝箱の上に乗せた俺はカードを拾って確かめる。そこには白いブーツの絵が描かれており、名前はラビットフットと言う名前だ。
ラビットフット
防御力 30
敏捷 10
効果 【跳躍力強化(小)】【歩行補正(小)】
皮の靴
防御力 5
効果 なし
これがラビットフットの性能である。下の皮の靴と比べればどれだけ性能が違うのかが分かるほどだ。
ラビットフットの性能を確認している間に、投擲用ナイフを回収して戻ってきたシルクと一緒に宝箱を確認する。
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