ワールドダンジョンキー

第3話

　ステータスに表示された内容をみるがそれがどれくらい凄いのかは分からないが、それでもこれが俺のステータスなのかと納得することにする。

　これで宝箱に入っている無限ダンジョンの鍵だけがこれからどうすれば良いかを決めるのか。

　箱の中の鍵を手に取ってみるが、やはり何もない。これは柱の鍵穴に入れないといけないのだろうが、どうしようかと悩んでいるとそう言えばインベントリの中には何か入ってないかを確かめる。

　インベントリを意識してみれば、俺の脳裏にインベントリの中に入っている物が思い浮かんだ。

　「また手紙が入ってる？」

　インベントリから手紙を取り出してみれば、そこには女神ショータスーキ（偽名）の名前が書いてあった。

　とりあえず手紙を開いて手紙の内容を読むことにする。

これを読んでいるなら、君は薬を飲んで子供の頃になったみたいだね。

今の君はステータスを獲得しただけじゃなくて身体能力も普通じゃないよ。

今なら最初の方のモンスターにも負けはしないさ。

君にアドバイスを送るね。

まず、君はメニューからマイルーム拡張を選ぶんだ。

その中にオススメと言うのがあるからそれを選択して、オススメ分のポイントはあるからね。

それが終われば、召喚を試してみて。

最初の1人目をランダムで召喚することが出来るようにしておいたからね。

あとは君と召喚した者と一緒に無限ダンジョンの攻略をしてね。

君が無限ダンジョンの100階層の攻略が終わるのを楽しみにしてるよ。

女神ショータスーキ（偽名）より

　手紙を読んで俺の今の状況を見ているのではないかと思ってしまう。が、もしかしたらこの状況は女神ショータスーキ（偽名）に取って予測の範囲なのかも知れない。

　とりあえず手紙に書かれた通りにメニューのマイルーム拡張を選択、そこには確かにオススメと書かれているのが一つあり、それは風呂場の大きな1LDKがマイルームに作られるそうだ。

　どの位置に1LDKに繋がる扉を作るのかを選べる様で、俺は右側の壁に1LDKに繋がる扉を作ることに決めた。

　そしていつの間にか追加されていたポイントを使ってオススメの1LDKを購入すると、先ほど決めた扉の設置に扉が現れる。

　「手紙には次は召喚をする様に書いてあったな。確かめるか。多分、出来るだろうし。」

　そして召喚を意識するとそこにはランダムで一度限り召喚可能という文字が一つだけあった。

　これがリセマラが出来れば強い者を召喚することが出来たはずだ。だが、ここは現実だならそんなことは出来ない。一度限りの召喚に賭けて俺はランダム召喚を行なった。

　俺の前の床に魔法陣が現れる。あれが召喚に必要な魔法陣なのだろう。記号や文字に幾何学模様が合わさった魔法陣は淡い光を放っている。

　光が少しずつ強くなっていき、一際魔法陣が眩く光を放つと、そこには亜麻髪色をしたメイド服姿の女性が立っていた。

　この人？が俺の召喚した相手なのだろう。女性が目を開けて俺のことをサファイアの様な青い色の色彩で見てくる。

　「貴方が私のご主人様ですね。私はシルキーのシルクです。これからよろしくお願いします。」

　足首近くまであるメイド服のスカートを持ち上げながら、シルキーのシルクは挨拶する。

　「あ、うん。よろしく。俺は水瀬ミコト。これから色々頼むね、シルク。」

　「はい、ご主人様。」

　優しく微笑むその姿に俺はドキッとする。ここまで綺麗で胸が大きく、腰もくびれ、足も長い女性は初めてみた。

　「シルクは今の状況って分かってる？」

　「大体は理解しています。ご主人様が無限ダンジョンの攻略をする必要があるのですよね。」

　「うん、そうだ。」

　シルクは俺の状況を理解している様だ。これなら説明をする必要はなさそうだ。俺はシルクのステータスを確認することにした。