菊原慶介の人生⑮
大山の声に反応し、周りの男たちは銃を取り出した。
「え? じゅ、銃!?」
美晴は目の前の大量の銃にパニック状態になる。
「ったく、仕方ねぇなぁ」
名取は美晴の首を掴み、ドアを巧みに利用して、部屋から飛び出した。
「ってぇ!!!!!」
男たちは容赦なく撃ち、
けたたましい轟音が家中に響いた。
壁やドアの縁を抉る銃弾に身を潜めながら、
名取はバックからあるものを取り出した。
「それは、※CSAA!?」
※CSAA=コルト・シングル・アクション・アーミーの略でリボルバーのこと。
まさか銃まで持ってるなんて!
ますますわからない。
「おい、伏せてろ!」
「い、言われなくても伏せますよ!」
名取はクルクルとCSAAを回すと、敵の位置を半身をだして確認して相手が打つよりも先に動き出した。
バンッ!
いつ引金を引いたかわからない。
気付いた時には男の銃を2つ弾いていた。
銃声は1回しかしなかったのに、いつの間に2発目を!?
「ぐあぁ!」
「あいつ、中々やるぞ!」
名取は動きを止めず、ドアの隙間から顔を出すと、蛍光灯を撃ち抜いた。
辺りは一瞬で暗くなり、
どこにいるかを確認できない。
これでは名取自身も動けなくなるんじゃ……。
バンバンバンッ!
「ぐあぁ!」
「くそ、なんであいつには居場所がわかるんだ!」
男たちはパニック状態、
大山も何が起こっているのか理解ができない。
「名取さん! ……?」
美晴は名取がどこにいるか一瞬で把握した。
名取の眼鏡が緑色に軽く反射している。
あれは……暗視ゴーグル?
まさかあの眼鏡、いろんな機能を備えた特殊な眼鏡なんじゃ……
CSAAの装填数は6発、すでに6発撃ってるならすぐに装填しないと。
「落ち着け、おそらく奴の銃はCSAAだ、6発撃ってるなら奴は今装填しているはず、すぐに探し出せ!」
「は、はい!」
幹部らしき男の声で、男たちは冷静さを取り戻し、
部屋の外に散らばっていった。
まずい、今外に出ると殺される。
美晴は物陰に隠れ、ガタガタ震えながら時が去るのをじっと待っていると、
大山が叫び始めた―――
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