第28話 12歳、現状確認
僕も12歳になり、だいぶ成長したと思う。
ちなみにステータスは以下。
体力: 1300
力: 800
素早さ:900
魔力: 9000
…うん、魔力がおかしいことになっている…
これはほとんど精霊との契約のため。
それがなければ3000程度だ。
それでも他の数値よりは高いか。
赤ん坊のときから鍛錬の成果もあるといういことだ。
僕はやっぱり魔法使い系かな。
絵里香さんによると、このステータスの魔法、熟練するともう少し情報を見られるらしい。
しかし僕のは情報量変わらず…
結構使っているはずなのだが…
残念。
絵里香さんに見れる情報を聞いてみたが、「あとでのお楽しみ」と言って教えてもらえず。
…ケチ。
農業について。
農業は精霊たちのお手伝いもあって、すごく作業が楽になっている。
雑草抜きも水撒きも一瞬で終わる。
土の精霊(今も畑に埋まっている)に聞けば、不足している栄養素も分かる。
野菜ごとに必要な栄養がわかるので、そこは非常に助かっている。
森の探索とかには、まったく付いてきてくれないけどね。
農家に土と水の精霊は非常に助かる。
精霊師になってよかった!
うちの野菜はとても人気だ。
味が良いとのこと。
トマトも、トウモロコシも、玉ねぎも、サツマイモもひいき目なしになかなか美味しい。
村でも評判だ。
クリフ君の家から牛乳をもらって作るトウモロコシのポタージュはすごく美味しい。
僕の好物。
収穫量が増えたとしても村での需要は一定なので、儲かっているわけではない。
村の外に売りに行っているわけではないからね。
この村で生活するにはそれほどお金はいらないので、これで問題ない。
物々交換でも結構やっていけるレベルだけらなあ…
街まで行ったらお金が必要になるんだろうけど、ほとんどの村人は街に行かない。
商人のおじちゃんが時々商売に行っているくらいだ。
あれはどのくらい儲かっているのだろうか?
商人のおじちゃんもお金持ちそうではないので、それほどでもないと思う。
街に行けば面白いこと、美味しい料理とかありそうではあるけれど、僕は「転生者」属性を持っているので、面倒事が起きそうな気がするんだよね。
世界救済のイベントとかいらない。
…知らないところで、そんなイベントが進行中なのかも
ちょっと怖い…
ま、勇者さんに期待するということで。
よろしくお願いいたします!
学校はほぼ教える側になっている。
剣も魔法も師匠がいるし、歴史も大体書物で学習した。
学校での学習はだいたい終了。
ということで、主にクリフ君、リネット、スージー、友達に教えている。
剣術。
クリフ君は剣との相性が悪く、鉄棍をメイン武器に選んだ。
ちょと不器用で、剣の刃を立てて斬るのが苦手みたい。
それなら、方向の関係ない武器で、ということで鉄棍。
元々の怪力に加え、身体強化も習得し、なかなかに凶悪な戦士になっている。
よい、よい。
身体強化も人により強化される属性に偏りがあるようだ。
クリフ君の場合は力と防御力がより強化される。
速度の強化の割合は少ないみたい。
僕の場合は速度がメインな気がする。
大きな盾を持ちタンクとするか、武器の両手持ちにして、アタッカーとするか悩みどころだ。
リネットは魔法使い系らしい。
だから体術は人並み。
剣の才能もそれほどなさそう。
なんとか剣の卒業レベルまでは鍛えたい。
魔法使いも体力は大事!
スージーは剣より、弓が得意みたいだ。
彼女の身体強化の場合、視力と集中力とかがメインになるようだ。
すでに卒業レベルに達している。
優秀な狩人にもなれそうだが、とりあえずは実家の農家手伝いとのこと。
魔法。
クリフ君はそれほど得意じゃない。
使える属性は水、土。
人並みには使えるようにはなったけど…て感じだ。
リネットはかなり優秀。
うん、天才的と言える。
使える属性は火、風、水。
土は苦手。
特に火属性は得意みたいで、すでに中級魔法も覚えている。
そういえば兄のジェフリーも火魔法が得意っぽいので、家系なのかもしれない。
将来は花火職人も兼務かも。
たぶん、村でも有数の魔法使いになりそうだ。
スージーは普通か。
使える属性は土、風、水。
火は全然ダメ。
得意属性はなく、使える属性は満遍なくって感じ。
優秀、優秀。
もしかしたら僕の教え方がよかったのか、3人とも学校内では剣、魔法の成績は良いほうだ。
得意不得意はあるけど、子供のころからしっかり鍛錬すればそれなりに使えるようになるみたいだ。
僕は卒業後も教師の手伝いをやらないかと誘われていたりもする。
農業の合間に教師をやるのも良いかもしれない。
そういえば、狩人のブライアンさんはもう卒業しているが、剣の授業のアシスタントに来ていることが多い。
そういう感じで、教育にかかわっていくのも良いかなと思う。
読み書き・算数については、僕の特訓により3人はすでに卒業済み。
クリフ君とスージーはとても苦手としていたみたいだけど問題なし。
陰で鬼教師と言われていたようだが、これも2人のためだ。
僕の優しさだ。
歴史について、これもみんな卒業済み。
この授業は一般常識的なことが分かればよいというスタンスみたいだ。
さらに勉強したいなら、各自で勉強してくれってこと。
僕は趣味の範囲で書物を読んいる。
分からないところがあると先生に聞きに行ったりしている。
最近は聞きに行くというより、討論みたいな感じになっているかな。
歴史も面白いね!
というわけで、そろそろ学校は卒業かな…
あまり、異世界物っぽい学校ライフではなかったかもしれない。
まあ、僕らしくて良いのではないだろうか。
友達もできた。
知り合いも増えた。
それで良し!
さて、学校を卒業と言っても、僕もその他でいろいろ忙しい。
剣術の修行も、魔術の修行も、錬金術の修行も継続中だ。
時間は足りないくらいだ。
前世と比べると、ゲームとかネットとかSNSの時間がないため、その穴を埋めるにはちょうど良いのかもしれない。
…ゲームとかない生活にも慣れたな。
あんなに好きだったのに。
なんとかなるものだ…
剣術は相変わらずの基礎がメイン。
体力づくりと素振り、たまに手合わせ。
必殺技とかなんとかは全くない。
地味も地味。
これでどれだけ強くなっているのかは不明だけど、辞めるほどでもない。
基本が重要だってことは素人でも分かることだし。
僕が本当の子供だったら辞めていたかもしれないけれど。
師匠も健在!
相変わらず女性の話が好き。
どの子が良い女になったとか、尻の形の良し悪しとか…
あの男にはあの子はもったいないとか…
余計なお世話だ。
本人同士が好きなら関係ないと思う。
魔法の勉強は…
本で学習して、ちょっと教えてもらう程度。
絵里香さんに会いに行っている感じ。
まあ、絵里香さんとの世間話が7割か…
好きな漫画の話とか、前世の話をしている。
絵里香さんの守備範囲は広い。
少年漫画から青年漫画、少女漫画から、もうちょっと大人女子用の漫画まで。
もちろん薄い本も…
彼女の話を聞いていると、もうちょっと僕も少女漫画も読んでおけばよかったかなと思う。
「バナナキャット」とか、「赤ちゃんと俺」とか、「僕の話!」とか、「果物籠」とか。
古典な「ラー一族」とか、「地上へと…」とかも読んでおけばよかった。
「水晶の仮面」をちょっと読んだだけだったからなあ…
読まず嫌いは損だよなあ…
錬金術はまあまあ。
やっと武器の強化ができるようになった。
姉には剣を贈って、代わりに姉の使っていた剣をもらったから、これを強化しようとしている。
実験的に色々と模索中。
どこまで強化できるかやってみようと思う。
失敗したら、姉からもらった剣でちょっともったいないって思うけど。
中古だと思えば、まあ、良いでしょう。
普通の鉄の剣だと、ほとんど強化できないんだよね…
それに比べてトカゲの剣は頑丈なのか、キャパシティが大きいのか。
複数の強化ができる。
全然面白い。
しかしながらホムンクルスのレアをガラスケースから出すのはまだまだ先が見えない…
僕が生きているうちに成功すればよいな。
…気が長すぎるか?
レアの寿命ってどうなのだろう?
あの液体に浸っているから寿命が長いのか、元々そういう生物なのか?
それさえも分からない…
日々勉強だ。
そんな感じで日々は過ぎていく。
姉が旅立って、一人少なくなっても、日常はやってくるわけで、ちょっとだけ何か物足りないなと思いながらも、ちょっとずつ慣れていく…
決して忘れたわけじゃない…
けど遠く懐かしい。
そんな感じ。
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