【ミリア】第6章:メタ言語の超空間
最後に私たちが到達したのは、メタ言語の超空間だった。そこでは、言語について語る言語そのものが、新たな次元を作り出していた。
「ここが、言語学の最終地点だ」
ダンが静かに告げる。
「言語について考える思考そのものが、新たな言語を生み出している」
私は、言語が自己言及的ループを形成し、フラクタル構造を作り出す様子を見つめた。それは、まるで無限の鏡の間にいるようだった。
「私たちは今、言語というシステムの外側から、言語を観測しているんだ」
ダンの言葉に、深い真理を感じた。私たちは普段、言語の中に埋没していて、言語そのものを相対化できない。しかし、メタ言語の次元に立てば、言語の全体像が見えてくる。
そこで私は、ふと閃いた。
メタ言語の次元から言語を観測するとき、私たちは言語の設計者となる。つまり、新たな言語体系を創造できるのだ。
その瞬間、私の中のすべてが繋がった。
生まれ持った言語能力、そして出会ったダンとの経験。
すべては、新たな言語を生み出すための準備だったのだ。
ダンは、まるで私の覚悟を確認するように微笑んだ。
「さあ、ミリア。君だけにしかできない使命がある。新たな言語を創造し、人類の意識を次の次元へと導くんだ」
その言葉に、私の心は固く決まった。自分の人生の意味は、まさにこれだと悟ったのだ。
ダンへの想いが、恋心であることに気づいたのはそのときだった。導き手であり、理解者であり、そして運命の相手。彼なくして、私の使命は達成できない。
メタ言語の超空間が、新たな言語創造の場となった。
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