第4話 驚愕の出現地
さて、それから後、約一週間ぐらい後の事である。
日本の、東京の奥多摩地域で、奇妙な死体が発見された。
極、若い女性の死体だった。
発見後、即、警察の法医学者の元に送られ、解剖されたのだが、その死体は、実に奇妙な死に方をしていたのだ。
彼女の首には、まるで大きな毒蛇にでも噛まれたような二つの傷跡があった。更に、奇妙な事に、全身の血液が、ほぼ一滴も残っていなかったと言う点だ。
多分、首の頸動脈から、全ての、血液を吸い取られたような、異様な死の形態。
この情報は、奥多摩地域も管轄する警視庁に、即、もたらされた。
あまりの不思議な事件に、警視庁長官は、マスコミに箝口令を敷き、極秘で調査を開始した。
いかんせん、奥多摩地域である。東京都内のように、防犯カメラが密集している訳では無い。
だが、警視庁の独自調査では、当該事件の起きる一日前に、白人の観光客がカメラ持参で、ここら当たりをうろついていた事までは、把握していた。
とすれば、犯人は、旅行のために来日していた、外国人なのか?
それにしても、どのようにして、死亡した若い女性の血液を全て一滴残らず、一体どうやって、何の為に、抜き取ったのか?
更に、殺された若い女性は、全身の血液は吸い取られていたものの、アソコだけは無事だったのだ。
つまり、不同意性交は行われておらず、ただ、血液のみ生血のみを、吸い取られた事になる。
警視庁捜査一課は、この殺人事件を「吸血鬼殺人事件」と密かに命名し、更なる操作を開始したのだ。
しかし、マスコミにこの事件を発表しなかったばっかりに、今度は、二日後に、八王子市で、似たような女性の死体が発見された。
これで、被害者は二人目である。
ここで、ある新聞社が、この奇妙な事件の噂話を、緊急にスクープして、記事に載せた。
曰く、
『現代の吸血鬼殺人事件、勃発!』と。
これは、SNSを通じて、即、全国に拡散した。
人気ユーチューバーの中には、実際に、映画で見られるような、吸血鬼の姿や化粧をして、女性に襲いかかる動画を実際に作成して、流す者も現れた。
無論、当の本人は、このような奇妙な事件が勃発しており、その被害を防ぐための啓発活動だと、マスコミに対して、堂々と宣言していたのだ。
各局のテレビ局等が取材に行くと、
「私は、これ以上の被害が出ないようにと、啓発動画を作って、若い女性達を守っているのだ。この何処が間違っているのだろう」
非常に覚めた冷たい表情で、「マスゴミらめ、己を知れ!己を!」と大声を上げて、猛反論したのだ。
この部分の、切り抜き動画が、ユーチューブ上に、拡散に次ぐ、拡散となった。
ここにて、この事件の話は、Xやティックトック等でも炎上状態になったが、警視庁の懸命な捜査でも、多分、白人の外国人が一枚噛んでいる事は分かったものの、それ以上の捜査の進展は無かったのである。
だが、遂に、三人目の犠牲者が出た。
東京の世田谷区の、閑静な住宅街で、同じく若い女性、しかも今度の被害者は、女子中学生だった。
ここら辺には、防犯カメラが多数ある筈なのだが、強力な電磁波か何かによって、防犯カメラは、只の一機も作動していなかった。
しかし、一体、この犯人は、どうやって、男性経験の無い若い娘ばかりを、正確に見抜き、そして襲いかかるのか?
この問題は、犯人は既に白人の外国人で、旅行者らしい所までは、既に、捜査が進んでいるのだ。
しかし、日本を訪れる外国人は、年間で、コロナ前を超える約四千万人以上にもなろとしているこのご時世。警視庁の懸命の捜査によるも、そう、簡単には、犯人は見つからなかったのである。
果たして、日本の警視庁は、これからどう、動くのであろうか?どう言う、対処法や、捜査方法があるのであろうか?
警視庁の幹部は、全員、頭を抱え込んだのだ。
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