第3話 女性スパイ
しかし、このままでは、アメリカン合衆国は、オソロシア帝国に完全に遅れを取ってしまうのだ。
そこで、オソロシア帝国に送りこまれた女性スパイは、モスクバ大学医学研究所長に接近。
ハニー・トラップで、遂に、この最大の謎の解明を取得した。
それは、「生体内原子変換」「生体内分子変換」という、現代科学では、不可能とされていた技術だったのだ。
一般的に、原子変換を行おうとすれば、熱核融合装置のような巨大な装置が必要とされる。
それを、生体内で、しかも、常温で行うと言う、正にノーベル賞ものの技術なのだが、それの技術の取得に成功。
しかし、アメリカン合衆国に、この情報を送った事がバレ、この女性スパイが、ホテル内で、モスクバ大学医学研究所長に男性器を入れられている時に、二人とも、国家秘密警察によって射殺された。
だが、この超技術の取得により、アメリカン合衆国でも、遂に、吸精鬼の誕生に成功した。
これ以上は、詳しくは書かないが、かっての日本で発見され、後に、インチキとされたO研究員の書いた論文の「STAP細胞理論(細胞刺激惹起性多能性獲得細胞)」の、応用だろうと噂されたのである。
ちまみに、「STAP細胞理論」とは、万能細胞の作成の理論の事で、人体の何の臓器にでも成る事ができる。
しかし、「生体内原子変換」「生体内分子変換」とは、また、理論的にも科学的にも、その考え方が大きく異なる筈なのである。
しかも、「STAP細胞理論」を、仮に応用したとしても、現代科学的にも絶対に不可能な「生体内原子変換」「生体内分子変換」は実現出来ないのだ。
更なる、オカルト的な「何か」がある筈なのだが、ここが最重要課題でもあり、女性スパイにとっても、実に、情報の入手に、手間取っていたのだった。
しかし、この「生体内原子変換」「生体内分子変換」技術の入手により、かっての女性囚人のミラ・オースチンは、こうして、見事に、吸精鬼に生まれ変わったのだ。
後は、吸血鬼の到来を、待つばかりだ。
CIA長官は、吸血鬼の到来に備えて、FBI長官にも、極秘で連絡。
FBI長官は、国家の最重要事案として、Xファイル事案として全警察に命令。
各空港、各港、果ては南の国境付近に、最大限の配備を行って、吸血鬼の到来に備えていたのである。
しかし、待てど暮らせど、吸血鬼の出現のニュ-スは、伝わって来ない。
高級ホテルの一室で、CIA長官のアレをしゃぶりながら、既に、吸精鬼に生まれ変わっていたミラ・オースチンは、その絶妙のテクニックで、CIA長官を、もて遊んでいた。
「うふふ、この私の舌にも、アソコの中にも、タコの遺伝子情報が組み込まれているのよ。良く持って、5分間よね」と、ミラ・オースチンが宣(のたま)う。
「うっ!!!」と、声を上げて、CIA長官は、出し尽くしてしまった。
そして、もの凄く紅潮した顔で、
「もう少し、我慢してくれ。奴は、必ず、現れる筈だ」
「でも、長官、少し遅すぎませんか?
私らは、実は、偽の情報に踊らされているのでは……」
「そんな筈は無い。この吸血鬼情報をもたらしてくれたのは、我がCIAが誇る最高の女性スパイだった。
惜しむらくは、彼女は、この吸血鬼の研究をしていた、モスクバ大学医学研究所長と共に、射殺されたと聞いているのだが……。
彼女が、命懸けで、情報を流してくれたのだ。
そのような情報が、間違いだとは、とても考えられない。
そう、ここに、今現在、吸血鬼に変身した、オソロシア帝国の人間の顔写真がある。
ともかく、この顔を、覚えておいてくれ」
「私には、瞬間記憶力があります。俗に言う、カメラ・アイの持ち主です。一度、見たら、一生、忘れませんよ。それにしても、この男は……」
「それを聞いて安心したよ。その男の事は、皆まで言うな。私も、そのいきさつは良く知っているのだ。
もし、吸血鬼が出現したら、即時に、出撃を頼むよ」
CIA長官の射出した体液を、最後までゴクリと飲み込んで、完全なる吸精鬼となったミラ・オースチンは、大きく、頷いたのである。
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