第2話 乗っ取られた妹

これ、どういう状況?昨日までの妹は……

『おかえり!おにぃちゃん!がっこ、お疲れ様!』みたいな性格キャラだったのに、急に大人びてるよ!……仮に乗っ取ってる奴天使ならふつーは逆だよね!


「夢、見ないで。私には時間がないの」

「どういう事だ?」

「簡単に言うと未来の亡霊のわたしが現代かこのわたしの身体を使わせてもらってるの」

「へー。それで?」

 そんなうざったい話はどうでもいい。

「それで、私の願いは、あなたに死神として殺してほしいの」

「めんどくさい。却下」

 正直ぼくの妹は危なかっしい事が山積みだ。そこでぼく……いや、俺は妹にこう提案した。

「その願いは第二に置いておこう。さあ、改めて望みを聞こうか」


 ———もう一度、海がみたい。


 それは、今の妹の願いでもあり、みらいからの願いでもあった。

「任せとき。お前の想いの強さに俺が泣いた。泣かせたるから覚悟しとき」

 と、表向きミエを張ってるが内心、達成したら何かを失いそうで怖かった。


          つづく

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る