第1話Distortionlove 歪な愛
私の片思いの相手……初恋の相手は探偵だった。私はその方の助手だ。あの方との出会いは雨の日であった。私は物心つく頃から孤児院で育った。娯楽も何も無い無機質な。私はある日それに飽き飽きして孤児院を抜け出したがあいにくその日は雨だった。その孤児院は森にあった。私は走って町まで行こうとしたのだが、小さかったのもあってかやはり迷ってしまったのである。戻ろうとしてもひどい雨だった。私は雨宿りとも言えないような枝ばかりの樹の下で雨宿りした。なぜそのような木にしたか?それはまわりには不自然に枝が焼き切れた木しかなかったからさ。その木の近くには泉があった。かなり小規模だが、水を飲むには十分だった。私は水を飲もうとし泉の水を救おうとした瞬間、稲妻にあたってしまったのである。まわりの木が焼ききれていたのは稲妻のせいであった。「え?」ドボンッ私は泉に落ちた。ただの泉と思っていたのだが、底が見えない。かなり深いようだ。息が切れ、溺れそうになった。その時、細くて白い手が現れて引き上げてもらった。そして気を失って気づいたら探偵の家におり、それから助手として働いていたというわけだ。そして今はその森の中を歩いている。ある花を探しているのだ。昔、落ちたときにその花の存在に気づいた。水辺に咲いている白い花を。まだ純粋で無垢なあなたへ届けよう。
歪な愛 完
short story 鳥さん @toritori1234
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