不穏

 私たちはきっと上手くやっていけるはず。舞生には悪いけど、もうあの人とは暮らせない。新しい家族を私たちで作って⸺⸺幸せになるのよ。

「ねぇ、母さん……」

「っ、なあに? 舞生」

 舞生は新しいお父さんになる人のコートの前に立ってこちらを見ていた。

「これ……なに?」

 舞生がこちらに見せてきた小さな箱。近寄って見てみるとそれは、ギラギラした女の人の名刺だった。

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