第45話
「おぉ!仲直りしたんだね!」
咲月の声が明るく響いた。
「うん、二人のおかげ」
私は微笑んで答えた。
「良かったね」
遥希くんは嬉しそうに言った。
「ほんとにありがとう。それと、迷惑かけてごめん」
二人には色々迷惑かけた。
相談にも沢山乗ってもらったし。
「迷惑だなんて」
咲月は手を振って否定した。
「そうだよ。俺たちは何もしてないんだから」
遥希くんも咲月に同意した。
「いやいや、二人にはほんっとにお世話になりました」
「とんでもないです」
「今度美味しいもの奢ってくれたらそれでいいよ」咲月が冗談めかして言った。
「何言ってんだよ」
「なんでよぉ、心桜だってそっちの方が気が楽になるでしょ?」
「うん」
私は微笑んで頷いた。
確かに、感謝の気持ちを形にするのは大事だと思った。
「俺の気が重いんだけど、」
「さっそくだけど、今週の土曜日空いてる?」
「空いてる空いてる!」
咲月はすぐに答えた。
「俺も空いてるけど、ほんとに気にしなくて大丈夫だよ?」
「いや、私お小遣い貰ったばっかりだから、むしろ奢らせてください!」
私は笑顔で言った。
「それじゃあ、お言葉に甘えて、、」
「いやぁ、でも、本っ当に良かったね」
咲月は、私以上に喜んでくれてる。
それが、何より嬉しかった。
「うん、ありがとう。二人のおかげだよ」
「それは違うよ」
遥希くんが真剣な表情で言った。
「え…?」
私は驚いて遥希くんを見つめた。
「心桜が頑張ったからだよ」
遥希くんの言葉に、私は少し照れくさそうに微笑んだ。
「そうそう。心桜が自分の気持ちをちゃんと伝えたから、こうして仲直りできたんだよ」
咲月も同意した。
「頑張ったね」
遥希くんが優しく微笑んだ。
「そうかな…でも、本当にありがとう」
私は少し照れくさそうに言った。
「じゃ、土曜日はどこに行く?」
咲月が楽しそうに尋ねた。
「うーん、どこがいいかな?」
私は考えながら答えた。
「美味しいスイーツのお店とかどう?」
咲月が提案した。
「いいね!スイーツ大好き!あ、遥希くん甘いの好き…か、前ケーキ食べてたもんね」
私は目を輝かせた。
「覚えてくれてたんだ」
遥希くんは驚いた表情を見せた。
「うん。ベリーチーズケーキ美味しそうだったから」
「はは。じゃあまた今度…は、無理か」
遥希くんは少し寂しそうに言った。
「柊先輩に聞いてみるね」
私は優しく言った。
「うん」
遥希くんは微笑んだ。
「じゃあ、決まり。土曜日楽しみにしてるね」
「うん、私も楽しみにしてる」
この時は、ただ楽しい時間になると思っていた。
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