第43話・玲香の告白

「ただいまー」

「お邪魔します。」

 こちら玲香、ターゲットの玲仁を家に連れ込むことに成功した。これから告白して相手の様子をうかがう予定だ。まあ、誰とも通信してないけど。

「上がって?」

「うん。ちょうど俺からも伝えたいことがあるんだ。」

 何だろうか。悪い話じゃないといいけど・・・・そう思いながら一人暮らし用の部屋に玲仁を入れる。普段ちゃぶ台を使っているので、玲仁にはカーペットの上に座ってもらった。

 私は玲仁の向かい側に座る。

「言いたいことって何?先にどうぞ。」

 普段、玲仁と二人っきりになるだけで緊張するのに、告白となるとそれ以上だ。これ以上ないぐらい緊張している。なら、一気に言ってやろうではないか。

「前の世界で出会ったときからずっと好きです。私、あなたの一番になりたいです。どうか、彼女にしてください!」

 日本語で噛まずに言い切れた。実は、2年ぐらい前の18歳ぐらいのときからカンニングペーパー作って暗記していた。それぐらい本気だったけど、成人式をするまでは待たないと、と思って何年も待ち続けていた。

 玲仁の目をずっと見ながら話していたのだが、玲仁の赤とび色の目は大きく見開かれた。そして、次に発せられた一言で今度は私が目を見開くことになる。

「・・・・先を越されちゃった。」

「え?」

 今、なんて?

「俺も告白の文を考えたのに、先を越されちゃったなって思って。」

「いいの?」

「いいに決まってるよ!これからもよろしくお願いします、玲香!」

 嬉しくて、玲仁の隣に行くと、玲仁の腕の中にすっぽりと入った。高身長で上にある玲仁を見上げると、玲仁の綺麗な顔が近づいて、次の瞬間には唇に驚くほど柔らかいものが触れた。

「え、ちょ、え?」

 キスされたと気づいて私の顔は真っ赤になった。玲仁の方を見てられないと思うほどに。がむしゃらに生きて数十年だったけど、初めてのキスだった。

「真っ赤になって、かわいい。」

 その言葉で、もっと顔が赤くなった気がした。それでもやっぱり嬉しかった。

「玲香、帰っていいかな?」

「う、うん。」

「次は泊まりに来るね。俺も愛情が爆発しないようにするけど、爆発しちゃったらごめんね。」

 愛情が爆発。何が起こるか少し気になってしまった。それより、日程の調整と準備をしておこう。残念な思いをする前に。

「バイバイ!」

 私は手を振って見送った。


 あとがき

 遅くなってしまい申し訳ございません。あと、ちょっと短いかもしれないです。そこもすみません。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

出戻り賢者の奮闘記~異世界から出戻った幼女の賢者はひらがなの勉強を始めます~ Mtoo @Mtoo

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ