第28話・大賢者のレベル上げpart2

「ルイス5勝!」

 今、適性検査の一環として強さを測ってるんだけど、ルイスもとい前世のローレンス様が無双している。そりゃあ強かったけど、Lv1になってもこの強さとは・・・・。

 あ、そんなこと言ってたら6回目の挑戦で負けたわ。

「ルイス、すごいね!」

「ありがとうね。」

「傷は今治すからね!」

 まあこういう手合わせみたいなものは物理にしろ魔法にしろ、ヒーラーがついてないといけないという法律があるから回復魔法が使える私がヒーラーをやっている。まあ、私の場合攻撃魔法がメインだけど。

 でも、この世界は治安が悪いので、”回復魔法使えます、最下位しか使えないし蘇生もできないけど”みたいなのが蔓延ってても誰も注意できないのが現状だけど。

「よし、部屋に行こうか。」

「うん!」

「正直に言うと、何かが目覚めそうで目覚めないんだよね。」

「じゃあ、試してみようか。」

「うん!」


「ええと。」

「なあに?」

「どうしてまたおんなじ部屋なの?」

「え、ダメだった?」

「いや、前は見た目が小さかったけど今は明らかに16歳の美少女だよ?ダメだよ。」

「・・・・なんでよ・・・・。」

「わかった、わかったから!」

「やった!で、何かが目覚めそうで目覚めないんだっけ?」

「うん、そうなんだけど、よくわからないんだよね。」

「前世、玲仁君ぐらいの年齢だったころの姿を想像してみたら?」

「・・・・え?」

 玲仁君から白い光が出てきて、光が収まったころには・・・・

「ローレンス様?」

 ブラウンの光沢がある髪に綺麗なサファイアブルーの瞳は間違いなくローレンス様だ。幼少期のローレンス様に会ったことはないけど間違いない。

「姿が、変わった、の?」

「うん、多分回帰術だと思うよ。」

 回帰術というのは逆異世界転移を起こした生物が、元の姿に戻る術のことだ。

「これ、どうやって戻るの?」

「玲仁君の姿を想像したら戻れると思うよ。」

「・・・・できた?」

 うん、めちゃくちゃできてるよ。それにしても可愛らしい。

「じゃあ、修行がんばろう!」

「うん!」


 とはいえそんな簡単にレベルが上がるはずがないのはわかってたんです、はい。

「どれぐらいレベルをあげればいいの?」

「・・・・一旦Lv30ぐらいまで上げて、私と玲仁君がもうちょっと大きくなってからもう一回来ようか。」

「うん、そうだね。」

 いつもこの姿だったから教わってたのを忘れてたけど、年齢とか性別とか遺伝とかによってLvアップに必要経験値が変わるんだよね。で、幼少期とかだと必要経験値がすごい多くなるから、Lv30ぐらいまで上げて環境を整えておいて、もうちょっと成長してからまた来ることにした。

 ・・・・まあ、Lv30もそれなりに大変なんだけど、周りのモンスターが強いからなんとかなると思う。

 修行生活、がんばるぞ!がんばるのは私じゃなくて玲仁君だけど!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る