第二章・知ってはいけないこと
第24話・大賢者の異世界(転移)研究
(わかったぞ。次元の狭間の出入りを許可する。統御神様よ、光天使の子孫の玲香に次元の狭間の出入りのご加護を。)
キター!ついに、ついに成し遂げたぞ!
わからない人のために状況説明をすると、次元の狭間というのは通常では生物が入れない空間であり、世界とか次元とか言われる存在の間の空間のことだ。
この次元の狭間が出入りできるようになることで後天性異世界転移が成立するのだけど、後天性異世界転移に関しては”第一話・転移する大賢者”を参照してね。
ちなみに
ちなみに今話していた神様は総括神だけど、この世界の会社(?)で例えるなら総括神様が部長で統御神様が社長みたいなものだ。もしくは親会社の社長と子会社の社長みたいな感じ。立場が上だから敬語を使ってるみたい。
嬉しすぎて光天使の子孫のくだりはすっかり忘れる玲香だった。
そのあとに場所の操作とか、時間の操作とか、今まで行ってきた世界の座標とかを教えてもらった。
え、なんでこんなことをしてるか、だって?それはね、夏休みというものは暇だからだよ。そりゃあ玲仁君と遊んだりはするし、芽衣子ちゃんと遊ぶ予定も入ってるけどさ、遊ぶ予定が入ってないときって暇じゃん。宿題も特に出されてないんだし。
さて、茶々が入ったりしましたが、いざ、異世界へ!
そう思って頑張っていた時期が私にもありました。現在次元の狭間を突っ切っているところでございます。今、出発してから何時間経ってるの?途中から数えてたけどもう2時間は経ってるよ?なんで教えられたN-9が出てこないの?
ちなみに世界にも座標というものがあって、今行こうとしているN-9は最後にいた世界かつローレンス様が生きていた世界だ。横の座標がAからZまで、縦の座標が1から9まである。私が出発した場所、つまり現代日本の座標はX-2だ。つまり斜めに移動しているわけだが、一向にたどり着く気配がない。
ちなみに次元の狭間って真っ黒でその中にある世界に向かって走っていくのをイメージしていたが、実際はカラフルで目がチカチカするマーブル状の背景を水の中にいるみたいな感触でスーっと滑っていく感じだった。まあ時々現れる世界は真っ白な光だけど、これは結構疲れる。
ちなみに今までも後天性異世界転移で異世界を移動していたわけだけど、あの自称母親が何かを唱えたら白い光が広がって気づいたら異世界にいました、みたいな転移の仕方だったから、この裏は知らなかった。多分魔道具を使っていたんだと思う。
あ、世界が見えてきた。座標は・・・・N-9だ、キター!テンションが上がったのでここぞとばかりに近づいた。
白い光に包まれたあと、気づいたら町にいた。ここは・・・・オエストタウンかな?ということは多分帰ってきたんだ。
久しぶりに帰ってきたけど、体が重いし、呪いにかかってるみたいな重圧を感じる。私は常にこの重圧に耐えていたのかと思うとなんとも言えない気持ちになった。
さて、開通確認だけしたかったので帰るか。今度は玲仁を連れて来て一緒に遊ぼう。そう思っていた私が甘かった。
「玲香、何をしてるの?」
声をかけられて振り向いたら、そこには自称母親の手下がいた。
「ちょっと開通確認をしただけよ。それにあなたこそ死んだ相手にまだ仕えてるの?」
「何言ってるの、当主様は死んでないわよ。」
「え?」
ちょっと待って、死んでない?生物のHPの限界以上のダメージを与えたのに?なんで?まあ今は一旦帰ることにした。帰って玲仁君を連れてから分析しても遅くはないだろう。
(統御神様、次元の狭間を開き、前回の数秒後、前回と同じ場所で降り立つようにしてくださいませ。)
(わかった。)
私の視界は白い光でいっぱいになる。そのまま帰ることにしたのだった。
あとがき
ここまで読んでくださりありがとうございます。玲香の自称母親の真相は?続きを待ってくださると幸いです。
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