第21話・大賢者の別荘 part3
「じゃあ、寝ますか。」
「うん、そうね。」
あれからすごく美味しかったごはんを食べ終わってお風呂にも入って今は寝るところだ。
なのでふかふかのベッドに包まれて寝ようと思う。
「・・・・日中決めてなかったけどさ、どっちが広いほうのベッドを使うの?」
「あ」
すっかり忘れてた。こういう論争って気を使った結果意見が合わずに喧嘩することが多いことを。
「玲仁君が使っていいよ。」
「え、玲香ちゃんが広いほうを使いなよ。」
うん、こうなると思ったよ。それでお互い譲らずに喧嘩することは結構多い。さて、どうしようかな・・・・。
「玲仁君の方が体大きいでしょ?」
「いや、これぐらいなら狭くても大丈夫だし玲香ちゃんはご主人様なんだから広いほうで寝なよ。」
「私は何十年も旅をしてたから野宿でも寝られるぐらいだから、名家のご令息で今世でも普通のベッドで寝てる玲仁君が大きいほうを使って?」
「いや、俺だって前世では長いこと旅をしていたんだし大丈夫だから玲香ちゃんが使ってよ。」
うん、埒が明かない平行線なのは理解した。どうしようかな・・・・あ、そうだ。
「じゃあ、大きいほうのベッドで一緒に寝よう!」
私が言った途端に顔を赤くさせる玲仁君。その反応は意識してるってことでいいの?いいの!?
「・・・・わかったよ、広いほうで寝るよ。」
「そっか、残念。」
玲仁君に抱きつきながら寝たかったのに残念だ。まあしょうがないか。ちょっと残念に思いながら狭いほうのベッドに入る。
「じゃあ、お休み~」
「お休み。」
「明日は一緒に寝ようね。」
玲仁君を何も言えなくしたところで私も目を閉じた。
気づいたら部屋が真っ暗になっている。カーテンから光も漏れてないんだけど・・・・今、朝の5時ぐらいかな?こんな時間に起きちゃった。さすがに玲仁君を道連れにするわけにはいかないしどうしようかな・・・・。
ちょっとだけ別荘の中を散歩してみるか!
というわけで昨日の昼間に潜入してたキッチンの前に来てみたのだが・・・・なぜか怒鳴り声がする。ということで少々警戒しながら扉を開けた。
そしたらキッチンの中では固まっている理沙ちゃんと理沙ちゃんに包丁を向ける男性がいた。
「ああ!?お前ガキを呼んだな!?」
「落ち着いてください!」
理沙ちゃんをかばう位置に立ってからそう叫んだ。
「ああ!?落ち着けるわけないだろうが!このガキがよう!」
「爆発!」
しょうがないので逃げないかと思って脅しとして爆発魔法ティポタを空撃ちした。
「どうやって爆発を起こしたかは知らねーが当てれるのかよ、おう!」
よし、情状酌量の余地なし。ていうかもっと早くそう判断しておくべきだった。
「麻痺!」
これで男の神経が機能しなくなった。力が抜けて倒れていく男を無視して私は迷わず玲仁君を起こすことにした。
「理沙ちゃん、警察を呼んで!」
「はい!」
フリーズしているところだったから申し訳ないが警察を呼ばせた。だって人手が足りないもん。
今は麻痺魔法が効いてるが、警察が到着したら麻痺魔法を解く。そしたら神経は跡形もなく復活するので罪に問われることもないだろう。数分後に警察が到着したので男の身柄を引き渡した。
「ごめんね、朝早いのに呼んじゃって。」
「大丈夫だよ。今回は俺にできることだったんだし。」
やっぱりローレンス様もとい玲仁君は優しい!大好き!
「じゃあ、今日はこのまま話していよう。」
「うん!」
やっぱり私は玲仁君もローレンス様も大好きすぎるのかもしれない。そう思ったのだった。
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