第13話・大賢者の友達との出会い

 こうしていろいろありましたが、幼稚園に入園することに関しては特に問題なく入ることができました。

 ちなみに今日は入園式。ということで幼稚園の制服?を着せられてるのだが、これが窮屈でしょうがない。まあ今までずっと同じワンピースばっかり来てたし謁見の正装とかもローブだったからしょうがないか。

 園の先生がプレスクールにいた子の名前を呼んでいたりしている。まあ数人ほどプレスクールにいなかった子供もいるけど。

「久保山玲香ちゃん。」

「はい。」

「火山芽衣子ちゃん。」

「はい!」

 ちなみに例として入れた名前はプレスクールに通ってなかった子だ。それにしても

苗字に火が入ってるあたり芽衣子ちゃんの家は火属性が得意なのだろうか?山も入ってるし土属性も得意なのかもしれない。

 とにかく集中しよう。でないと他の人の得意属性を推理して話を聞き逃してしまいそうだ。


 入園式は大したことはやってなかったと思うし、何より30分程度しかなかった。私の集中力ってそんなに信用できない?私大賢者なんだけど・・・・そのことはまあいいや。

 この幼稚園では入園式が終わったあと、幼児同士とママ友同士の交流会がある。

「玲香ちゃーん、あーそーぼ!」

「わかったよ、芽衣子ちゃん!」

 芽衣子ちゃんが話しかけてきたから遊んだりしてました。なぜか護身術に似てる身のこなしのチャンバラごっこで。

 この身のこなしでちょっと興味を持ってしまった私でした。これからよろしくね、芽衣子ちゃん!


 数時間後・・・・

 ~玲香よ、この場に冷気を出しなさい~

「冷気」

 今まで暑かった空気が一気に冷える。試しに日本語で詠唱をしてみたのだが、従来の魔法語レベルの反応が出てるところを見ると魔法語で間違いなさそうだ。

 ちなみにここは私が住んでる豪邸の一部屋だったりする。何をしたらこの広さの豪邸が買えるのか日本語を習得したらぜひ問い詰めてみたいところだ。

「大賢者様、魔法の研究は順調ですか?」

「・・・・日本語で大賢者様と呼ぶのはやめなさい。別世界での身分がばれるじゃない。ただでさえこの家は人の目が多いんだから。」

「それで、順調なの?」

 日本語で話しかけていたあと私の説教を食らって異世界の共通語に直した。

「まあ魔法語ぐらいはわかるようになったし、今冷気魔法の詠唱に成功したところよ。」

「・・・・なんかすごそう。」

「うんまあ難しかったけど頑張ったわ。だって私魔法がないと死にそうだもん。」

「し、死にそうは言い過ぎでは・・・・?」

「言い過ぎでもなんでもなく気持ち的に勉強してた方が楽しいわ。」

「ああ、そっちか。まあ勉強大っ嫌いだけど気持ちがまぎれることはあるよね。」

「玲仁君って勉強大っ嫌いなんだ。やっぱり物理の方が向いてそうね。」

「そうかな・・・・。」

「MP量も魔力量も平均よりかなり少ないし、HPも力もかなり高いし、物理を極めたほうがよさそうよ。」

「そっか・・・・。薄々気づいてはいたんだよね・・・・。魔法向いてないってこと。」

「・・・・」

 正直、ローレンス様もとい玲仁君の話は事実だ。でも前衛が全然できないので玲仁君の気持ちは痛いほどわかる。

「まあ、進捗は報告したので研究に戻るわね。じゃあまたね!」

「は、はい!」

 とりあえず前の世界の魔法を再現することに集中しよう。ええと、八属性のうち火と水と冷気と光を再現できてるからあとは風と地と雷と闇よね・・・・詠唱の翻訳を考えておこう。


 数日後の幼稚園で・・・・

「玲香ちゃん。」

 最近芽衣子ちゃんとはよく遊んでいる。芽衣子ちゃんと遊ぶのは楽しい。

「なあに?」

「暑い。」

 うーん、確かに最近の気温は暑い。まだ五月でここは温帯のはずなのに体感の気温が確実に20を超えている。なぜここまで暑くなるのかが不思議で仕方ないぐらい。

「ええと、水筒持ってる?」

 こんな暑い日には冷気魔法の実験をしたくなるよね。冷気魔法はだいぶ成功してきてるので多分大丈夫だ。

「うん。持ってくるね。」

 え、この会話だけでわかったのか?日本人すごい。私も見た目からして確実に日本人なのになんで空気を読む機能が付かないのかな?

「持ってきたよー!」

「ありがとうね。冷たいのは好き?」

「うん!大好きだよ!」

「冷たければ冷たいほどいいかな?」

「うん!」

 よし、大丈夫そうだね。そう思って詠唱を始める。

 ~玲香よ、水筒の中に冷気を生みなさい~

 詠唱が終わると同時に水筒が冷たくなった。どうやら成功したようだ。

「これでいいかな?」

 芽衣子ちゃんに水筒を渡した。そしたら芽衣子ちゃんは受け取った瞬間に大きい目を見開いた。

「冷たい!ありがとうね!」

「どういたしまして!」

 これが私と芽衣子ちゃんの仲良くなったきっかけの一つ。そして、私が魔法をで使いたいと思った最初のきっかけだった。


 あとがき

 ここまで読んでくださりありがとうございます。問題がございませんでしたら小説のフォロー、★の評価、応援、レビュー、コメントなどお願いいたします。ありがとうございました。

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