第77話 VS黒天狐

天狐は黒天狐の魔力を感知してその場に行く。


「…」


「見つけた、さっきはよくもやってくれたね。今度はそううまくいかないよ。」


尻尾と黒文様を顕現させるといつもより力が湧いてきている。

よくよく見ると少しだけ姿が変わっていた。


「尻尾が十本に…。それに黒文様が少しだけ青いようだし、何か目線が高いような…。」


「…」


「身長、もしかして伸びてる、おわっ!」


黒天狐が殴りかかってくるがそれをはねのけ急所にカウンターを食らわせる。


「びっくりした、いきなり攻撃してくるなんて。さっきはそれでやられたけど次はないよ。」


「…」


再び黒天狐が殴りかかってくるがすべて躱して魔法を放つ。黒天狐は吹き飛び壁にめり込む。


「なるほど、お前の戦闘スキルは僕たちと同じパターンか。」


「…」


「悪いけど、もう終わらせるよ。黒死壊形…。」

魔力を圧縮し、放とうとするが誰かに止められる。


「「待て天狐。」」


「え、俺?」


「「そうだ、俺だ。」」


「なに、いきなり。ていうか死んだんじゃなかったの?」


「「俺が天星眼を制御してやるって言ったじゃないか。」」


「それはそうだった。」


「「話はいいからあいつを吸収しろ。」」


「なんでそんなことするの?」


「「あれのもとは俺たちだからだ。きっと他の世界線であの状態になったんだ。それと同時にお前をこの世界に転移させたときについてきてしまったんだ。」」


「なるほどね。」


「「だからあいつを吸収して楽にさせてやろう。あいつだけ死なせるのは好きじゃない。」」


「わかったよ、現にアースランドさんたちは生きてるし…。」


「「よし、やるぞ。」」


「ああ!」


天狐は黒天狐の眼前に移動して抵抗できないように尻尾で拘束する。

黒文様に触れて文様を吸収する。

黒文様が剥がれ落ちると、黒天狐が僕に倒れてくる。


「今までよく頑張ったね、あとはゆっくり休んで。」

軽く言葉を放つと尻尾で包み込み、黒天狐を吸収して事態は収束を迎えた。


「「よくやったな、天狐。」」


「ありがとね。」


「「これでお前は完全な力を得た。」」


「そっか、でも早く帰って皆の顔が見たくなっちゃった。」


「「そうだな、俺は寝ておくから今日はサクヒノラとイチャイチャしてるんだな!次は寝ておくから。」」


「はぁ!?あれ見てたの!?」


「「別に俺自身だからいいじゃないか。それに俺にもそういう相手はいたさ。」」


「それはそれで気になるんだけど。」


「「まぁ俺は寝る、好きにしろ。」」


「そっか、ありがとう。」


「「おう。」」




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