第62話 ステリオス帰還

天狐たちが王都並びにソアレフに来て3ヶ月。目が覚めてデートも行ったのでそろそろステリオスに戻る時が来た。沢山の人と挨拶を済ませ今はヤマタドナが人化を解いた所になる。


「ソアレフの皆さん、また来ますね。」


「はい、お待ちしております。それと娘をよろしくお願いします。サクヒノラ、向こうでも元気でな。」


「はい、お父様。精一杯楽しんできます。」


「はい、任されました。」


「行くぞ。」


背中に飛び乗りヤマタドナが翼を広げ飛び立つ、ステリオスには30分で着く。相変わらず飛行能力は凄い。

一行は問題なく屋敷に戻り、皆が出迎えてくれた。


「お母さん、お父さんただいまー!」

アースランドはサンドレスとムーンアルネに向かって元気に声をあげる。


「あら、おかえり。」


「おかえり、少し強くなったようだな。さすが俺の子だ。」


「そうだよ!強くなってきた!ヤマタドナのお陰だね!いつかお父さんを超えてみせるよ!」


「おいおい、ヤマタドナの指導か。きつくはなかったか?しかしそう簡単にはぬかせないぞ。」


「全然きついけど強くなるならこれくらいは平気だよ!」


「そうか、俺も特訓しようかな。」


「あなたも修行するべきね。最近は体動かしてなかったでしょう?」


「そうだな、まだ娘に負けてられん。」


「ふふ、頑張ってね。あなた。」


「ああ、そして三人ともお帰り。そしてサクヒノラ様、ようこそステリオスへ。」


「ああ。」「はい。」「うん!」


「お久しぶりですサンドレス様、これからお世話になります。」


「これから皆をよろしくお願いします。」


サンドレス様が敬語を使っている、やっぱり王族はすごいな。僕も所作とかみならわなくちゃな。


「ところで私は何をすればいいでしょうか?」


「あなたは将来屋敷に関する仕事をお願いします、アースランドが時期領主になるので秘書として。そのため16歳になったらステリオス高等部への学校に進学してもらいます。異論はないですか?」


「はい、問題ありません。」


「ではそれでお願いします。」


「そっかぁ、学校楽しんでね!私はそこの生徒だったからわからないことがあれば聞いてね!」


「はい、ありがとうございます。」


学校?そういえばそんなのあるんだっけ、完全に頭から抜け落ちてた。僕には関係ないからいいけど。


「天狐ちゃんも学校行く?」

アースランドさんが心の声を読んだのか声をかけてくる、便利な能力だ。


「え、いや、僕は興味ないからいいですよ。それに高等部は年齢的にもう遅いですから。」


「だったら二年生から編入したらどう?そもそも天狐ちゃん同年代の友達少ないでしょ?勉強はできるよね?」


「友達はほしいですけど、僕全く勉強できませんよ?この世界の文字の読み書きはできるようになりましたけど、魔法の理論とか座学はさっぱりです。勉強は嫌いなので。」


「そうだったんだ、でも行ってみたら?案外楽しいかもよ?」


「んー、ちょっと考えてみます。」


「そっか!行きたくなったら言ってね!いつでも勉強教えるから!あ、でもできれば1か月以内に教えてくれると嬉しいかも。」


「わかりました。」


「ところで娘よ、お主の成績は普通だっただろ?仮に天狐が学校行くとして教えられるのか?」


「編入試験くらいの内容なら教えられるよ?それに騎士課を受験すればメインは実技だし天狐ちゃんでも合格できるとは思うけど。」


「そうか、筆記試験はどうするんだ?」


「それは勉強するだけだけど。対して難しくはないよ?私だって赤点は取らなかったんだし。」


「天狐は違うだろ?今まで勉強なんてほとんどしたことないんだからそう簡単に行くのか?」


「私の見た感じは中等部レベルはあると思うよ?買い物も普通にできてるし、魔法に関しては自由だし大丈夫だと思うよ、あとはお父さんのコネでいいんじゃない?」


「こ、こねって。それはいいんですか?」


「大丈夫だよ?ていうか天狐ちゃんのこと国の皆知ってるしそもそも顔パスでしょ?」


「た、確かにそうですね?」


「だからそんなに気にしなくていいよ。まぁ、行きたくなったら言ってね!」


「はい、考えておきます。」

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