第57話 アルマ帝国

ヤマタドナがヒィストに属して、そして天狐が眠って1ヶ月になる。

大陸にある国々は今の状況について会議していた。


「龍族、主にヤマタドナがヒィスト王国に属した。」


「知ってる。」「今更そんなこと話すの?」「別に興味な〜い。」

アルマ帝国のトップの発言に部下の面々はあまり興味がなさそうな雰囲気を出している。


アルマ帝国トップのアルティマルトは少し呆れながらも会話を続ける。

「あの国とは戦争もなにもないからな、しかし会議しない訳にはいかないだろ。一応この国の未来がかかってるんだ、なんせうちの領内にいる龍族もヒィストに属したのかもしれないだろ。」


「めんどくさいとかいって今まで放置してたのに?」


「いやー、それを言われるとなんも言い返せないがこの先アルマ帝国はどういう立場でいるかが重要だ。それにうちはレストリア興国とのいざこざがあるしね、龍族の力を使えなくなったとしたら面倒だ。」


「それなら向こうも一緒でしょ?あんまり気にしなくていいんじゃない?」


「いや、最近はヴィカミオがレストリアについたと話を聞いた。」


「それやべーじゃん。」「魔獣の王と言われる者が!?」「困ったね〜。」

皆の表情が変わる。


「それは本当か?アルティマルト。」

アルティマルトの父、アルティルが問いかける。


「風の噂程度にな、しかしこうなると厄介だ。現状帝国にヴィカミオに対抗出来るものはいないし、もし戦争になれば俺たちに勝ち目は無い。」


「それは面倒ですね、どうするんですか?」

他の者が問いかけてくる。


「ヒィスト王国と協定を結ぶしかないだろうな。」


「協定?うちが結べるの?ただでさえヒィストは平和の国なんだよ?」


「そうだが、それしかないだろ。」


「面倒くさがりなトップに出来るの?」


「いや、やるときはやるんだけど俺。」


「まーそこはいいとして他の手段とかはないの?」


「そうだなー、なにかあるっけ。」

アルティマルトは首を傾げ考える。


「勇者を召喚すればいいのでは?」


「そんなすぐに力のある者はいないだろう。」


「いや、やってみる価値はある。勇者は既に力を示した者しか召喚されない、ただのガキは来ないはずだ。」


「そうなのか、それは知らなかった。」


「ただこれは膨大な魔力を使うから宮廷魔法士20名の魔力は必要になる。それでもいいか?」


「いいんじゃない?トップの好きにしなよ〜。」


「相変わらず軽いな、お前たち。」


「えへへ、そうですか〜?」


「いや、褒めてないんだけど。」


「じゃあ私が準備しておきますね〜。行こうかみんな。」


「「はーい。」」


「ちゃんと国に貢献してくれるならいいや、けどもし勇者召喚が出来なかったら大人しくヒィスト王国に行って協定を結んでもらえる様にするか。めんどくさい。」


こうしてアルマ帝国の面々はすぐさま行動に移った。

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