第59話 デートの約束

「デートに行く際、私も連れて行ってくれませんか?」

サクヒノラが突然お願いをしてきた。


えーっと?どうしたらいいかな、アースランドさん。

心の声でアースランドに読み取って貰う。


「いいんじゃないかな?天狐ちゃんのお嫁さんになるわけだし。」


「ああ、私も構わん。好きにするといい。」


ヤマタドナとアースランドは肯定的な反応をしてくる。


「ありがとうございます、ところでどちらの方まで向かわれるのですか?」


「えーっとね、確かウエディングドレスの試着と美味しい酒屋さんに行く予定だよ。」


「いや、酒屋はなしだ。天狐が目覚めたばかりだからな、結婚式場の視察くらいでいいだろう。それだけでもかなり時間がかかるはずだ。」


「え、別に大丈夫だよ。ヤマタドナが行きたがってたでしょ?」


「酒は今飲んでいない、だから不要だ。」


「そうだったんだ、偉いね。」


「これしきのことで褒められても嬉しくはないぞ?」


「そっかー。」


「ところでウエディングドレスは天狐ちゃんが試着するの?」


「え、オレロとは婚約解消したのでアースランドさんたちが着るべきでは?」


「確かにそうだね、私もウエディングドレスは着てみたいし。ヤマタドナはいいの?」


「私はなんでもいいぞ、ジャージでもいいくらいだ。」


「相変わらず服に頓着しないね、そこがいいところだけど。」


「あの、天狐様が着る予定だったんですか?」


「え、まぁ、そうでしたけどちょっと色々あってですね。」


「私、両方着てみたいです。」


「「「え?」」」


「ですので両方着て楽しみたいです。」


そう来るとは思わなかった。片方でいいと思うんだけど。


「いいと思うよ!それにしよう!」


「アースランドさん!?勝手に決めないでくださいよ!」


「もともと天狐ちゃんがウエディングドレス着る予定だったんだし別に大丈夫でしょ?抵抗はなさそうだし。」


「え、両方切るのはめんどくさくありませんか?」


「せっかくの結婚式の下見だよ?両方着なくちゃね!」


「私も構わんぞ?天狐のウエディングドレスも見たいからな。」


「さっきまでジャージでいいって言ってなかった!?」


「それではどちらも着ることにしましょう。」


「人の話を聞いてください!?」


「それでデートはいつ行くの?」


「1週間後でよかろう、天狐も少し時間が欲しいだろう?」


「いや、僕はいつでもいいよ。」


「サクヒノラは仕事もあるから1週間後でよくない?」


「私としてもステリオスに行く準備がありますのでそのくらいだと嬉しいです。」


「そっかー、ステリオスに来るんだ。それなら1週間後だね。」


「なら決まりだな。それまではアースランドと特訓をしておこう。」


「うん!楽しみだね!」


「アースランドは意外と戦闘狂なのか?」


「お父さんは戦いは好きだよ?」


「せっかくだし僕も特訓に参加しようかな。」


「天狐は見るだけだ、いいな?」


「わかったよ、邪魔しない。」


「それではデートまでは各々過ごすようにお願い致します。」


「わかりました。」


サクヒノラたちが部屋から退出し3人になり、天狐が口を開く。


「ねぇ、2人とも。なんか迷惑かけたね。」


「気にしてないよ?」「あぁ、気にしてない。」


「明日から特訓なら今日は一緒に寝ない?久しぶりだと思うから。」


「そうだね!一緒に寝よっか!」「久しぶりだからな、たっぷりイチャついてやろう。」


「その前にお風呂入りたい、ずっと寝てたからね。」


「それなら背中流してあげる!」


「お願いします、アースランドさん。」


「私もいるぞ?」


「わかってるってヤマタドナ。」


3人は久しぶりにイチャイチャして一日を楽しんだ。

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