第55話 アースランドとヤマタドナ。
天狐が眠ってから2週間、今日も目覚める様子はなかったのでヤマタドナとアースランドは訓練していた。
天狐が眠って3日目から厳しい訓練をしていたがアースランドは音をあげることはなくヤマタドナに食らいついていた。それにはヤマタドナも感心していた。
「うん、ここ数日は動きが良くなってきたな。しかし身体が100%出来ているわけではないから筋力を増やすしかない。身体強化の魔法だけ使えても意味が無いからな、元々の筋力に上乗せされるから元が強いぶん効果をより発揮する。」
訓練は走り込みや筋トレといった初歩的なことから武器を使った戦闘まで。魔法は禁止して徹底的に体に覚えさせる。2人とも近接戦が得意だからかヤマタドナはアースランドの動きを見て指示をする。おかげでアースランドは短期間で強くなった。
「はぁはぁ…。そっか、ならもっと筋トレしなくちゃね。天狐ちゃんに強くなった私を見てもらわなきゃ。」
「そうだ、その意気だ。このまま強くなればサンドレスは越えられるぞ。」
「本当に?」
「あたりまえだ、この私が直々に指導しているんだ。それくらい強くならないと氷の大陸には連れて行けない。」
「そっか!じゃあもっと頑張らなきゃね!」
「ただ今日はもう終わりだな、3日間ずっと訓練している。柔軟しておけよ、明日は休みだ。」
「そうだね。明日は天狐ちゃんの様子を見ていたいし、ここ1週間は顔も見てないからね。癒しが欲しいよ。」
「結界を張っているから特に心配はしてないが見に行くのか?」
「やっぱり特訓中とはいえずっと顔を見ないのはね。」
「確かにな、なら明日は天狐の様子を見に行くか。なにか進展してるかもしれんからな。」
「わかった。」
2人は特訓を終え、明日になるのを待った。
次の日は天狐の様子を見に行ったが、何も進展はなかった。
「やっぱり起きないね 、天狐ちゃん。」
アースランドは天狐を見つめながら頭を撫でる。
「そうだな、いつ目が覚めるんだろうな。もう2週間か。」
「このまま目が覚まさないことなんてあるのかな?」
「いや、さすがにないだろう。心臓は動いているし、なにより病気の痕跡が見られない。眼の所為で眠っているのか?」
「やっぱりわからないよね。」
「あぁ、だが私はいつか目を覚ますと信じている。」
「私も信じないと、天狐ちゃんは必ず目を覚ますって。」
「そうだな、よし着替えさせるか。ずっと寝ていると汗もかくだろう。」
「うん、そうしよっか。天狐ちゃんの体も堪能したいし。」
「寝てる人にそういうことをするのはいいのか?」
「天狐ちゃんには秘密だよ?」
2人は天狐の体を吹き、着替えなどを楽しんでいた。
次の日からまた訓練に精を出し着実に力をつけていくアースランドであった。
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