第39話 出発まで どうしたらいい。
グラツィアとの婚約を解消した後、部屋を出て部屋に帰ろうと思うがヤマタドナかアースランドと話したいと思ってしまう。しかし、夜の12時を過ぎており寝ているだろうと部屋に帰るときに声をかけられる。
「あれ、天狐ちゃんどうしたの?こんな夜遅くに。」
「アースランドさん。こんばんは。」
「こんばんは。今日からグラツィアちゃんと寝るんじゃなかったの?」
「ええと、その、色々あって一人で寝ると言われたので部屋に帰ろうかと。」
「んー。喧嘩じゃなさそうだね。とりあえず私の部屋に来たそうだから行こっか。話聞いてあげる。」
こいういとき読心術は便利だ。僕の心を読んでくれる。
「ありがとうございます。」
「うん、おいで。」
こうして部屋に行き、事の経緯を話す。
「そっか、そういうことがあったんだね。」
「はい、オレロはともかくグラツィアさんは…。」
「お互いの気持ちがバラバラなら仕方がいよ。天狐ちゃんは悪くない。お父さんが勝手に決めたことでもあるし。」
「まあ、それはそうですけど。」
「あまり考えないでおこうよ。」
「そうですね…。」
「うん、だから今日は私と寝よう?もう夜遅いし。」
アースランドは椅子から立ち上げり、天狐をお姫様抱っこでベッドに運ぶ。
「…はい。そうですね。」
「うん、お休み、天狐ちゃん。」
「おやすみなさい。」
二人は眠りにつき、出発まであと二日になった、
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次の日になり、いつも通りに食堂に行くとグラツィアさんが声をかけてきた。
「おはよう、天狐ちゃん。」
「おはようございます。グラツィアさん。」
「昨日はごめんね?勝手にあんなこと言って。」
「いえ、気にしてないですよ。」
「そっか、でも婚約解消したことはあとで領主様に行こっか。今日と明日は休みだし。」
「そう、ですね。」
「なんか歯切れ悪いけどどうしたの?」
「いえ、昨日も行って今日も行くとなんか、そのサンドレス様に悪いかなって。」
「大丈夫だって、領主様が悪いから。」
「そうですね?」
「ご飯食べたら行こうね。」
「はい。」
ご飯を食べ、二人は領主様の所に行く。
「サンドレス様。お話があります。」
「なんだ?オレロの件はわかったけどやはり取り消しか?」
「いえ、私と天狐も婚約を解消します。」
「え、グラツィアともか?」
「はい、お願いします。」
「…まあ、俺が無理やり決めたことだし、別にいいか。でも理由はなんだ?」
「私と天狐の気持ちのすれ違いがあります。私は確かに天狐のことは好きだとは思いますが、天狐にはその気持ちがありません。だから私が天狐とアースランド様たちの結婚にのっかるのは違うのかと思います。心が通じ合って結ばれないと私は納得できません。」
「そうなのか、天狐もそうか?」
「はい、確かに今は好きではないと思います…。」
「そうか、わかった。お前たち二人の婚約を解約する。」
「「はい。」」
「だけど、二人がちゃんと結ばれたらその時は結婚しろよ?その時は祝福する。」
「ありがとうございます。サンドレス様。」
「まぁ、その。関係が悪くなるかもしれないがしっかり仲良くするようにな。」
「大丈夫ですよ、サンドレス様。私たちはこのくらいで関係が崩れたりしません。」
「そうか、それならいい。しかし今日は休みだ、しっかり二人とも休んでおけよ。」
「「はい。」」
こうして正式にオレロとグラツィアの婚約が解消した。
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「ヤマタドナ。」
「どうした天狐。」
「グラツィアさんにも何かした?」
「いや、何もしてないぞ。オレロを見て何かを感じたのではないか?」
「そうなんだ。」
「うむ、ところで今日はこれからどうする?」
「そうだね、何しようかな。」
「少し出かけないか?」
「いいよ、どこ行くの?」
「何も決めていない。とにかく外に出たい。」
「わかった、いこうか。アースランドさんは誘う?」
「二人がいい。」
「はーい。」
二人は街に出かけるのであった。
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