第34話 ヒィスト王国 謁見準備?
天狐が屋敷に戻ってから1ヶ月が立ち、この世界に来てから2ヶ月が過ぎた。相変わらずの日々で、戦いもなく平和ですごしていた。ヴィカミオと戦った以来、あれから力も使用していないから黒い文様も出していないため広がっているかはわからない。けれどこの調子ならずっと生きていけそうだなと思う。このまま何も無ければいいと思っていても、世の中はそう上手く行かないらしい。
今日も仕事終わりに食事に行こうとしたところ、サンドレスに呼び止められ、話があると言われた。大事なことなので領主の部屋に行き、話を聞くことになった。
しかしそこには、アースランドとヤマタドナもいた。
「あの、何の用ですか?サンドレス様。」
「知っていると思うが、ヤマタドナがこの国に属することになって国がとても平和になってな、国の状況もとても良くなった。だからその褒美を2人にと言うことで国王様がお呼びだ。」
「にしても急だな、しかし私はそんなこと興味はないのだが。」
「確かに、興味無いよね。ご飯あればいいし。」
「まぁ、2人には悪いが国王様のお願いでな、行ってくれ。1週間後には出発だ。もちろん私と妻も行く。」
「そうなんだ。でもなんで今なの?お父さん。」
「ヤマタドナがこの国に来てから色々変わってな、忙しかったらしい。それが昨日で色々と終わったから是非来て欲しいとな。なんせ相手が龍とその旦那なんだ、本当は国王から直ぐに向かうべきなんだが、国王様が疲れていてな。」
「私はそんなこと気にせんが仕方ない、行ってやるか。」
「それは有難いな、是非よろしく頼む。」
「それに疲れているなら魔力をあげてあげるのもありだね。」
「ああ。ところで行くのは4人だけか?それくらいなら連れて飛んでいくが、馬車は遅いし好きじゃない。」
「僕も飛んでいきたいな。久しぶりにヤマタドナの背中に乗りたいし。」
「それは嬉しいことを言ってくれるな、天狐。」
「…一応馬車があったんだが。まぁいいか、飛んでいこう。こちらかは国王様には伝えておく。それと行くのは四人だけだ。」
当日龍が空から飛んできたら皆は何を思うんだろうか。変なことにならないよね?
「わかりました、ありがとうございます。」
「それと向こうで何泊かする。着替えも向こうが準備してくれるから初めての王都、楽しんでくるといい。」
「ほう、それはいいな。天狐、向こうに行ったら久しぶりに一緒に寝れるぞ、良かったな。2人きりだぞ。」
「いや、グラツィアさんも含めて、交代で毎日一緒に寝てるじゃん。」
「馬鹿め、数日独り占めできるんだぞ。私は嬉しい限りだ。」
「え、私も行きたいな、ずるい。お父さん、連れて行って。」
「ああ、いいぞ。準備しておけよ。」
「やったー!ありがとう、お父さん!」
「な!おい!サンドレス!四人では無かったのか!」
「1人くらい増えても問題ない、大体アースランドは私の娘だ。異論は認めん。」
「な、、。」
「まぁ、いいじゃんヤマタドナ。3人で楽しもうよ。」
「…天狐が言うなら仕方ないか。」
「ヤマタドナもありがとね〜。」
「それと、出発するまえの3日間はグラツィアと寝るね。そうしないと不公平だし。」
「私はそれでいいよ。」
「ヤマタドナもそれでいい?」
「…仕方ないな。」
少し拗ねながら渋々答える。
これは今日はヤマタドナと寝るか。
「ヤマタドナ。」
「な、なんだ?天狐。」
「今日と明日は一緒に寝てあげるからそれでいい?」
「ふん、仕方ない。いいだろう。」
「むー。」
「アースランドさんは1番寝てるのでこの一週間は我慢してください。」
「はーい、でも寂しくなったらベッドに来ていいからね?可愛い狐さん♡」
「わ、わかりました。」
「ところで天狐よ。」
サンドレスが天狐に問いかける。
「なんですか?」
「オレロとは寝ないのか?」
「いや、寝ませんけど。大体お風呂一緒に入って上げてるし、いいかなって。」
「そうか、オレロ泣いていたぞ?1度も俺とは寝てくれないとかなんとか。一応大切にしろよ、旦那さまだろ。」
「…善処します。」
オレロは何を泣いてるの?全く。仕方ない。2日間は寝てあげよう。
「では、そういうことで、失礼します。」
「ああ、よろしく頼むぞ。」
こうして3人は部屋を出て、話し合うことになった。
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