第31話 龍と狐 天狐は赤ちゃん?
アースランドに抱きついたまま一時間がたった。
一向に離れる様子がないのでヤマタドナが引きはがして今度は自分の番だという感じで天狐を抱きしめる。
「おい、いい加減離れろ。それと私にくっつけ。」
「わぁあぶ、」
「あ!ちょっと、いいところだったのに!」
「ふん、ずっと見せつけておって。こっちの身にもなれ。」
「そっちは一週間ずっといたんでしょ?それに、その、天狐ちゃんとえっちなこととかもして、私とは、まだしたことないのに。」
「ほう、だったらどうする?今ここでするか?三人で。」
「その提案、乗ったよ。ヤマタドナ。」
ヤマタドナの提案にアースランドが乗る。
「え、なに勝手に決めてるの?騎士の人待ってるんだよね?もう反省したから帰ろうよ…」
「お主は黙っておれ。」
「そうだよ、これは女のプライドをかけた勝負だよ、天狐ちゃん、お姉さんが優しくしてあげる。それに騎士の人には帰ってもらうよ。だって飛べるでしょ?」
「…汗かいたから、お風呂入りたい。」
「ほう、お風呂でしたいのか。私はいいぞ。」
「え、いや、そういう意味じゃ。」
「私もいいよ、天狐ちゃん。」
「話を聞いてください!?」
「しかし、処女のお主が天狐に教えられるのか?天狐はもう卒業しているのに。」
「え、アースランドさん。処女なんですか?」
「あ、天狐ちゃんは黙ってて!」
顔を赤くしながらこちらをにらみつける。
「くうーん。」
「さぁ、お風呂に行くぞ。着いて来い。」
「え、待って。本当に!?」
無理矢理お風呂に連れられ、アースランドたちが服を脱ぎ、身体を洗いっこする。天狐は赤ちゃんみたいにされるがままだった。
途中、アースランドの胸が口の中に入り、その瞬間、天狐の理性は爆発したのであった。
------------------------
「天狐ちゃんってやっぱり甘えん坊だね~。赤ちゃんみたいだったよ。」
「二人が甘やかすからですよね…。」
「ふむ、確かにずっと甘えてきおる。まあ、私は天狐よりずいぶんと年上だから構わないがな。」
「ずっと私に抱っこされてたもんね♡」
「…もうわかったので、この話は終わりにしましょう。」
「む、仕方ないな。しかしこれからどうするんだ?今から帰るのか?」
「え、もう遅いから明日にしようよ、お腹空いた。」
「騎士の皆も帰っちゃったもんね。明日にしようよ。それに私もお腹空いた。」
「ならご飯にするか。天狐、畑に行って野菜をとってきてくれ。」
「はーい。」
「私は?」
「私と一緒に狩りだ。ついてこい。」
「りょーかい。」
こうして二手に分かれて食事の準備を始めた。野菜を取りに行くと遠くから二人の話声が聞こえたので盗聴する。僕の耳は大きいから出来が違うんだよね。野菜の収穫しながら聞こう。
「しかし、アースランドよ。お主はなぜ天狐に惹かれた?出会って三週間ほどであろう。それに、この一週間は会ってもいないのに。」
「それを言うならヤマタドナだって一週間でしょ?しかも私より先に進んでるし。」
「私はただ同衾したから流れと勢いでな。それに私も二百年生きてて一人だったからな、人肌が恋しかったのであろう。」
ヤマタドナもさ寂しがりなのかな。もっと構ってあげようかな?
それにしてもこの短期間で二人と婚約?することになって初めてももらってしまったし、魅了の力は恐ろしいな。
「そっかぁ。ヤマタドナは寂しがりなんだね!私に甘えてもいいよ~。」
「だ、誰が甘えるか!」
「残念。それと私は一目惚れだったよ?見たときに心にビビッて来てね、それと同時に心の中を見ると、寂しそうにしてるし悲しそうにしてたからね。ほっとけないって思っちゃった。」
「やはり天狐は誰かとの関りが少なすぎたのであろうからすぐに甘えてくる。初対面にもかかわらずな、恐らくは親にも愛情をもらったことがなかったんだろう。膨大な力を持つ故にあることだ。仕方のないことかもしれんがこの手のことはよくあることだ。現に私もそうだった。だがそれは天狐にとってはいいものではなかったらしいな。」
「そうだね、だからたくさん甘えさせて天狐ちゃんの心の隙間を埋めてあげたい。あの子が一人にならないようにしてあげたい。」
「そうだな、これは私たちにしか出来ぬことだ。たくさん愛情を注いで立派な旦那様になってもらおう。」
「そうだね。頑張ろう!」
「ああ。」
なんか、二人ともお母さんみたいだな。そういえば僕の家族は皆死んだっけ。お父さんもあ母さんも。物心がつく前だからよくわからないや、そのあとどうやって生きてられたんだろうな。よくわからない。
こうして考えながら野菜を収穫し、夜ご飯を満喫した。
------------------------
「ほら、天狐ちゃんは私のほうが良いってよ!」
アースランドの体を見るとすごく立派で理性が飛びそうだった。
負けじとヤマタドナも服を脱ぎ、天狐に見せつける。
「天狐見ろ、これがお主が一週間堪能した胸だぞ。」
ヤマタドナも立派で理性が飛びそうだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます