第12話 二人の執事 オレロが怪しい。
食事の後は一緒にお風呂に入る約束をしていたので部屋に戻り、お風呂の準備をしていた。
「お風呂の時間だ~、イェイ!…」
僕はお風呂が好きなのでついテンションが上がってしまう。ど下手で音痴な歌が部屋の中で響く。
クローゼットから寝巻きを取り出し、確認する。
「ショートパンツにtシャツか~まぁどうでもいいや、寝るだけだし。」
あまり気にせず、お風呂に向かうのであった。
「お、来たか!天狐!」
「はい、お待たせしました~。」
「なんかテンション高くね?まぁ、さっさとお風呂入ろうぜ!」
「ハッ!そう、ですね、入りましょう。」
落ち着こう。落ち着こう。
メイド服を脱ぎ始める。
腕の装飾を外し、頭の髪留めをとる。
そしたら腰の紐をほどき、帯が緩まる。そうなると上のフリルを横にずらし肩から外す。前掛けのフリルと褌みたいな下着、後ろのマントみたいなものは帯と一体型なのでまとめて脱ぐ。
あとは靴下とシャツだけなのでそれらを脱ぎ、全裸になる。
生まれたての姿になり、タオルを持つと、お風呂場に突撃する。
お風呂場に入るともう一人の執事オレロがいた。
「お!オレロじゃねーか!先入ってたんだな!」
アスカニオさんとオレロさんが会話を始める。
「いや、俺も今さっき来たとことだ、さっきまで、その、寝てて、な。」
何か怪しい気がするがやましい匂いは感じない。気のせいだろう。
「そういうことか!だからお前の部屋ノックしても反応なかったのか!」
「まぁ、そういうことだ。何か用事があったのか?」
「いや、野菜の収穫手伝ってもらおうと思ったがいないと思ってな!天狐と一緒にやっちまった!」
「天狐が?」
「ああ、手伝ってくれたぜ!」
「ど、どうも。」
「な、なんてことだ。く、俺も手伝いたかった…」
なぜか悔しそうな表情をしている。
「じゃあ次からは起きてくれよ!」
「ああ、必ず起きる。必ずな。」
なんか怖いんだけどこの人。お昼も怪しかったし。
「まぁ、あの畑を作ったのは俺だ、野菜関係で何かわからないことがあれば俺に聞くといい。」
「わ、わかりました。」
「そういや野菜運ぶとき重たかったか?」
突然アスカニオさんが話の方向を変えた。
「い、いえ特に、綿あめ持ってる感覚でした。」
その言葉にアスカニオさんが食いつく。
「ま、まじか!普段どんな筋トレしてるんだ!」
「え、腕立て伏せとか岩を持ち上げたりとか、ここに来る前は戦場とかいたので…」
「そうなのか、それは大変だったな。」
オレロさんが頭を撫で始める。やっぱりいい人?
「でもそれはすごいな!今度一緒に筋トレしようぜ!教えてくれ!そのやり方!」
教えられることなんてなにもないからどうしよう、でもとりあえずOKはしておこう。
「わ、わかりました。」
岩って一般人は持ち上げられるのかな?
「確かに見た目は小っちゃくてかわいいが筋肉はすごいな。」
オレロが突然分析し始める。僕の体をじろじろ見始める。
「確かにそうだなぁ!ちょっと触ってみていいか?」
そういうと二人は体を触り始めた。
肩から腕、手先にかけて、胸やおなか、太ももからふくらはぎまで全身まさぐるように。
「意外と固いな!でもどうなってんだ?戦う人の筋肉ってのはよお。魔力とかよく知らねえし。」
アスカニオさんは魔力を使えない?今度教えてみるかな。気が向いたらだけど。
「まぁ、なにかしらあるのだろう、そういう力が。屋敷の守護を任されてるみたいだしな。」
オレロに至っては手つきと顔が怪しい、真面目なことを言いながら行動は真逆だ。
後ろから胸を撫でられ、つつかれ、軽くもまれる。そのまま背中、お尻、太ももの裏側と内側も触られる。しかも何か当たってるし。前言撤回!この人やっぱりえっちじゃん!僕15歳だからね!?逮捕されない?
でもまずい、体をこんなに触られるのは初めてだからちょっと変な感じがする。
そもそも全裸でだよ。男二人が未成年の男の体を触りまくる。ほかの人に見られると終わりだよ。しかも二人の息子が目に入ってくる。僕のより全然大きいし、自信がなくなりそう。
だから仕返しにオレロの体も触ってやる。
「お、オレロさんもいい体してるじゃないですか、お体に触りますよ。」
お返しに胸をつんつんしてあげた。しかしオレロが倒れてしまい、お触りは秒で終わった。
僕もアースランドさんだったらたぶん終わってた。
体を触りあった後は体を洗い、お湯につかりぽかぽかになるまでお風呂につかる3人であった。
お風呂の後は部屋に帰り寝る準備を済ませてベッドに潜った。
あぁ、なんか疲れたなこの世界に来たばっかりだからかな。もう眠いや。
明日からは仕事で役所の人たちとおしゃべりしに行くんだっけ?。なんか話題考えていたほうがいいかな?なに話そう、前の世界のこと?それとも家族の話?あれ、何も話せるものがないなぁ。それほどほかの人とは違う人生を歩んできたからだろう。こっちの世界では楽しい思い出つくれるといいなぁ。そう考えてるとウトウトしていつの間にか眠ってしまった。
天狐が寝静まった後にアースランドさんが部屋に来た。
「天狐ちゃん起きてる?」
部屋の中にいる天狐に対して声をかけるが返事がない。
返事がないのでドアノブを触ると鍵が開いていたので忍び込む。
「もう、無防備なんだから。」
そういうと寝顔を見てニコニコしながら帰っていった。
「今日はなんか嬉しそうに眠ってるね。」
そういいながら自分のベッドで天狐の寝姿の写真を見ているアースランドであった。
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