第11話 二人の執事 アスカニオと畑
夕食の時間まであるから何しようかな。今日は役所もお休みだしすることが何もない。前の世界にいたときも家の掃除くらいだった。それともドラゴンに会いに行こうかな?
前の家は周りが森におおわれていてそこにポツンと一人で住んでいた。木の葉がいっぱい落ちてくるからその掃除くらい。あとは食料調達で狩りしたりたまに戦場に行って敵を葬り去ることもあった。敵を殺すのは気持ちのいいものじゃないけど。でもお金がもらえるから仕方ない。生活にお金は必要だから。生きていく上には。
親は死んでるし、友達はできなかったし、強いて言えば一人だけ仲良くしてくれた子がいたっけ。もうずいぶん昔のことだ、あんまり覚えてないや。
そう考えていると執事のアスカニオさんが訪ねてきた。
「天狐~!入っていいか~!」
「ど、どうぞ!」
そういうとアスカニオさんが入って来た。
「やあ!天狐!空いてるか?」
「はい、空いてます、よ。」
「よかったー!ちょうど手が足りなくてさ!野菜の収穫手伝ってくれね?」
「あの、オレロさんはどうしたんですか?」
「オレロは部屋をノックしても反応しなくてなー、どこか行ってるのじゃないか?」
「そ、そうなんですか、でも、そういうことならぜひ。」
「おし!さっそく向かうか!」
そういうと二人で野菜の収穫に行くのであった。
「わぁ、意外と大きいですね。畑。」
「そうだろ!とりあえず野菜を収穫して今夜の晩御飯に使おうと思ってな!大食いな狐くんがいるからな!」
「す、すみましぇん。」
今度から畑仕事手伝おう…
「じゃあ今から言う野菜の収穫するか!」
「は、はい!」
こうして二人で収穫し始めた。
収穫途中、ちょいちょい問題が発生する。
「うわ!、ムカデだ!」
そういうとアスカニオはムカデをつかみ投げ捨てる。結構大きかった気がする。よく噛まれなかったね。
「天狐も虫には気をつけろよ!」
「は、はぃっ、うわぁ!気持ち悪っ!」
注意された瞬間ミミズが手に絡みつき、急いで投げ飛ばす。なんかヌルってしてて感触が残ってる。虫が嫌いだからすごく不快だ。次来たら燃やそう。
「はは!天狐もおちょこちょいだな!」
アスカニオさんがからかってくる。
その後もなんやかんや虫に遊ばれ、ついにはガチギレする天狐だった。
「焼き尽くす!炎とともに散れ!」「おい止めろ!天狐!屋敷がなくなる!」
何とか怒りが収まり、収穫も無事に終えるのだった?
収穫した野菜はキッチンに運び込んでアスカニオさんが夕食を作り始めた。
夕食はご飯、ステーキ、サラダ、野菜スープ。
ステーキはミディアムレアでとてもジューシーだった。噛みしめるたびに肉汁があふれ出し、口の中で広がる。
にんにくのステーキソースにつけて食べることでおいしさがより一層増し、あふれた肉汁にポテトやニンジンの付け合わせの野菜と絡み合い、余すことなく食べられる。
ご飯の上にステーキを乗せるとこれがまた食が進む。ソースと肉汁が米に絡み一瞬でなくなってしまった。
「お、おかわりしてきます。」
そういうと天狐は席を立ち、丼を持ち、調理場へと入っていった。
「本当に食うんだな。」
アスカニオはぽつりと言葉を口にし、天狐が戻ってくるのを待った。
調理場にて。
さて、おかわりしよう。炊飯器としゃもじは、これか。
そういうと炊飯器の蓋を開け、米をつぐ。
丼いっぱいじゃ足りないので山盛りにしてやろう。そう思いたくさん詰めて席に戻る。
「まじか、山盛りじゃないか!」
アスカニオさんが突っ込みながらご飯のほうを見る。
「そ、そうですか?」
あまり気にせず、また食べ始めた。早く食べ過ぎるのは体に良くないため、ほどほどのスピードで食事を進める。アスカニオさんは食べ終わってたので先に食器を洗い始めていた、
サラダや野菜スープもおいしく、満足する夕食が食べられた。とてもおいしかった。ごちそうさまでした。
ちなみに僕は特に食べられないものはない。強いて言えば牛乳だ。
「じゃあ飯も食ったし、風呂に入るか!20時に風呂場集合な!」
「は、はい、わかりました。」
そういうと二人は部屋に戻り、お風呂の準備を始めた。
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