第10話 僕はもう駄目かもしれない…

こうして昼食を食べ終え、皆と自己紹介が終わったから部屋に戻ってきたけど何かしようかな?でもやることがないからどうしようかな?そう考えていると誰かの足音がして部屋の前で止まった。そのままドアをノックした。


「入ってもいいかしら?」


「は、はい!どうぞ。」


そういうと背の高いお姉さん?お母さん?が部屋に入る。椅子に案内し、お茶を入れ少し話すことになった。


「あ、あの、ア-スランドさんのお母さんですか?」

匂いが似てるし、アースランドさん一人っ子だった気がするし。


「そうよ?よくわかったね。かわいい狐さん。」

…絶対性格似てるよね。この親子。


「あ、あの、どのような用事で?」


「少し、お話しに来ただけよ。新人さんとは毎回お話するからね。」


「そ、そうなんですね。わかりました。僕も聞きたいことがあるのでよかったです。」


「そう?まぁいいわ、先に聞きたいことについてお話ししましょうか。私の話は大したものじゃないから。」


「わ、わかりました。僕が聞きたいのはなんですぐ雇ったりしたのか気になってて…」


「あら、そんなこと?私の娘が大丈夫って言ってたから雇ったのよ?」


そんなにあっさりと?

「え、そんなにあっさり決めてもいいものなんですか?し、初対面じゃないですか、大体よくわからない存在なのに…」


「教えておくとうちの娘は相手の心が読めるの。あなたには悪い子じゃなさそうだって言ってたし、犯罪歴もないからねぇ。」


え?心が読める?ていうかそこまでわかるのやばすぎない?どんな能力なのそれ…

嘘発見器と組み合わせると手が付けられないじゃないか。

てことは今まで考えていたことすべて筒抜けしてたってこと?お姉さんのおっぱい柔らかかったとか飲みたいとかまた一緒に寝てほしいなとか全部…


額に汗がだらだらと出始め、顔が青くなり始めた。

「ももももしかして全てわ、わかるんですか?」


「私もわかるわよ、あなたが娘に甘えたいとかなんとか。まぁ娘のほうは完璧にわかるんだけどね。」


な、なんてこった。ムーンアルネ様までもわかるとは、え、なにこれ、やだこれ、穴があったら入りたい。死にたい。


「あらあら、死んだらだめよ?それにかわいい狐さんなら大歓迎よ?」


「ムーンアルネ様までからかわないでください!そ、それとムーンアルネ様のお話とはな、なんでしょうか?」

話を逸らそう。そうじゃないと心が保てない。


「あ、そうだったわね。私の話しは2つだけよまず一つこれから屋敷の守護をお願いね?まぁいるだけでここら辺が結界になっているから何もしなくて平気よ」


「わ、わかりました。」

魔力が膨大すぎるんだろうね。だから相手がいつもすぐ逃げてたんだよね。


「あ、でもその、屋敷でやることがなさすぎるのでどうしようかと…」


「それなら役所のほうに行って皆とお話してきたらどうかしら?あなた、人とのかかわりがなさすぎるのよ。コミュニケーションの練習にもなっていいでしょう?」


「わ、わかりました。頑張ります。」


「じゃあ私はお暇するわ、夕食の時間になったら食堂に来て頂戴ね。だれかしらご飯つくってるから食べてあげて頂戴ね食いしん坊な狐さん。」


「わ、わかりました。」


「それじゃあね。」

そういうとドアの前まで行き足を止めこちらを見てひとこと


「二つ目の話なんだけど…」


「?」


「私の娘、よろしくね。えっちな狐さん♡」

そういうとムーンアルネ様は部屋から出て行った。


死にたい。やっぱり全部筒抜けじゃないか。母娘共々からかいが好きなのか。これからどうしようすごく気まずい。


これから何も考えずに生きていこう。

そう決心するのであった。

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