第9話 うまい!うまい!

時刻がお昼になり、アースランドさんに連れられ食堂に行くことになった。

今日は休日で仕事もなく、お昼から飲んでる人もいるらしい。

食堂は作り置きのものがおいてあり、自分で温めなおして食べるそうだ。

あと調理場は自由に使っていいらしく、皆食べたいものを作ってるそうだ。


食堂に着くと、ご飯を食べてる人たちの目線がこっちに集まった。

あ、おいしそう。


「獣人か?」「でもしっぽなくね?」「あらやだかわいい。」「えっちだ。」

皆が噂をしてるとアースランドさんが皆に呼びかけた。


「皆ー!食事中かもしれないけどちょっといいかな!」

皆がこちらに向き食事を行うのを止めた。


アースランドさんが紹介を行う。

「皆にも紹介するね!この子は冥途天狐ちゃん!今日からこの屋敷に住むことになりました!皆仲良くしてね!」


「こ、こんにちは!冥途天狐です。本日からよ、よろしくお願いします。あと僕は♂です…」

滅茶苦茶緊張して体が固くなっちゃった。


皆あいさつしてきた。

「よろしくねー!」「男の娘!?」「えっちだ。」「可愛いならなんでもい いかもしれない。」「おい!それは罠だ!」「罠でもいいんだ!」


と、とりあえず、仲良くはできそうかな?あと僕はえっちな狐じゃない。あと性別は気にしなよ。


簡単に自己紹介した後はお昼ご飯を食べ始めた。


お昼は米、鯖の塩焼き、みそ汁、野菜だ。

作り置きを冷蔵庫から取り出し、電子レンジで温めたが美味しかった。

この米はふっくらしていて美味しい。鯖の塩焼きとの相性が抜群ですぐになくなってしまった。野菜は畑が屋敷の裏にあり、そこから収穫しているらしい。獲れたてで美味しい。海も近いからかサバも新鮮で身がぎっしり詰まってる。養殖場もあってそこから仕入れることもあるとか。最高だ、毎日こんなおいしい食べ物が食べられるとは。笑顔がこぼれてしまう。


「天使だ。」「いや、神だ。」「可愛い~」「えっちだ。」

皆が噂をしているけど気にせず食べる。おい、えっちは絶対適当でしょ。どこがえっちだ。


「天狐ちゃんおいしそうに食べるね!こっちまで笑顔になっちゃうよ~そんなにおいしい?」

アースランドさんがニコニコしながら聞いてくる。そりゃおいしいよ。こんなおいしい物がたべられるのはあの焼き鳥以来だよ。それに親からご飯作ってもらったことなんてあったっけ。


「めちゃくちゃおいしいです。それに誰かに作ってもらったのは久しぶりですし…」


その言葉を聞くとアースランドさんが頭を優しく撫でてくる。

「それはよかったよ~これからおいしい物毎日食べられるから期待してね!」


「は、はいそれで、その、お代わりしてもいいですか?全然足りなくて…」

天星眼の影響で魔力と同様に栄養も取らないといけないため、すぐにご飯がなくなってしまった。お腹が空くんだよね。


「ほらたくさん食べて大きくなりな。」

声が聞こえていたのか執事のオレロがご飯をたくさん持ってくる。


「あ、ありがとうございます。」


「…かわいいな。」

なにやら聞こえたが無視をしてもらったのをすべて食べつくした。


このことは近くにいたメイドのマヤさんに「ごはん、いっぱい用意するね!」と言われてしまい、食堂に行くと「天狐用ご飯」と書かれてあり、ちょっぴり恥ずかしかった天狐であった。


ご飯を食べた後は皆とあいさつをした。


「ロベルトです。以後よろしく」

この方はロベルト。屋敷の執事長で高身長イケオジだ。お酒が好きとか聞いた。どんな味なんだろう。僕も飲んでみたい。


「オレロだ。さっきはいい食べっぷりだったな、可愛かったぞ。」

執事オレロ。イケメン高身長。スラっとしていて細身だが筋肉がしっかりついている。少し危ない匂いがするけど…

趣味は家庭菜園。この人の影響で屋敷で野菜を作り始めたとか。


「俺はアスカニオ!強いって聞いたぜ!ダンベル何キロ持てるんだ!?今度勝負しようぜ!」

執事アスカニオ。イケメン高身長で体格がよく筋力がすごそうだ。筋トレが趣味で誰彼構わず誘うらしい。たった今誘われた。


執事はサンドレス様の手伝いや畑仕事を行うそうだ。出張の際はロベルトさん以外は出払うらしい。今度畑手伝ってみようかな…


メイドさんとも挨拶をした。

「私はエリザよ、よろしくね。かわいい狐さん。」 

副メイド長エリザ 料理担当 長年この屋敷で働いている。


「私、ご飯いっぱい用意するね!」

マヤ 料理担当。たまにオレロと野菜を見に行っているらしい。


「いい食べっぷりね!でも服をあまり汚さないで頂戴ね?洗濯大変なんだもん。」

ノエミ 洗濯担当。マヤと一緒に野菜を見に行っている。


「わたくしの魚おいしかった?あれ、私が釣って来たものよ?」

カテリーナ 掃除担当。 趣味は釣りでたまに馬鹿でかい魚を釣り上げる。


「み、見苦しいところをお見せしました。」

シモーナ 掃除担当。結構おっちょこちょいとか。


「私も新人だけどよろしくね!天狐ちゃん!」

グラツィア 掃除担当。新人で僕が来る1か月前に入って来た。


メイドは料理、洗濯、掃除を行う。屋敷全般なので大変だ。皆凄腕のメイドなんだろう。週2日では休めるから休日は皆で外出しているとか。他にもメイドはいるらしいがほかの人は役所関係の人だそうで、9人が住み込みで働いている。皆と仲良く出来るといいなぁ。


そう思い、部屋に戻るのであった。







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