第2話 情報収集の結果、焼き鳥はおいしい。
あれから3時間くらい歩いて街の情報を集めた。
情報を整理しよう。
まず一つ、お腹が空いた。そして焼き鳥はおいしかった。しっかり火を通してあり生焼けの心配がなく、食中毒にかかることもなさそうだ。個人的にはタレのこってりとした味わいが良かった。塩も意外とさっぱりしていてレモンをかけるとよりおいしくなった。あんなおいしい食べ物を食べたのは久しぶりだ。感激した。
そして二つ目が領主の名前がステラ・サンドレスで街の名前がステリオス。
人がいっぱいいていっぱいいる。人が基本多いけど、獣人もいる。特に差別とかはなさそうで、平和な世界だ。
あとは大したものは収集していない。なぜなら焼き鳥がおいしかったからだ。それと街並みがきれいでずっと眺めていた。建物をずっと眺めていると案内してくれたし、写真も撮ってくれた。「この世界初上陸!」みたいな文字も描いた。お金がないと言っているのになんて親切な人たちなんだろう。恩を売っているだけかもしれないけど。
でも町の名前が気になるな。
「ステリオス。」
前にいた世界で住んでいた土地の名前はスオリテス。
名前が反転しているから反転世界なのかなと思っていたけど地図を見ておそらく全く別の世界なんだろうな、誰だよ全くこんな世界に連れてきたのは…
でも、これからどうしようかな。
屋敷に行って事情を話してみようかな?
でも役所の人に訳の分からないことを話すのはなぁ。
気がついたらここにいてどうすればいいですか、助けてください?
なんて言える訳ないじゃん!
大体怪しすぎるんだよ。どこから来たかわかんない奴の話を聞くとかさぁ。
この世界の身分証とか持ってるわけじゃないし、
領主からするとうわ、何コイツってなるよなぁ。
ていうか狩りとか出来るから野宿でも問題ないじゃん。火とかは起こせるし。
うん、問題ない。それで行こう。そうしよう。
あとのことは考えよう、そう簡単に死ねるわけではないのだから。
そう考えて行動に移そうとし、街のはずれの所にいると男の二人組に声をかけられた。
「おい、獣人の嬢ちゃん、ちょっと暇か?俺たちといいことしようぜ~」
「…」
「おい!お前だよ!しっぽのない獣人!」
「え、っと僕ですか?」
自分に指をさし、聞いてみる。
「お前以外に誰がいるんだよ!」
「た、確かに。ええとなんですか?」
「俺たちといいことしようぜ~!」
「い、いいことって、なんですか?かっこいい魔法の練習ですか?」
九尾の魅了の力で話の矛先を変える。
「ちげーよ!でもそれ、興味があるな。」
「俺もだ、どんなものだ?」
「こ、こういう奴なら見せられますよ?」
そういうと炎を作り出し、ドラゴンを作る。
「「す、すげー!もっとやってくれ!」」
そんなことを言われたのでちょっとうれしくて色々やってしまった。
そろそろ遅い時間になるので帰ることを伝えると、快く返してくれた。あとご飯おごってくれた。おいしかった。ありがとうございます。
「す、すみません、帰る前に一つ」
「「?」」
「ぼ、僕男なんですけど。」
そういうと二人はぽかんとしてそのまましばらく動こうとしなかった。
面倒事も終わり、さっそく僕は森に行こうとするとこれから運命の出会いとなるお姉さんに声をかけられた。
「ちょっとそこの耳の大きい女の子。お話いいかな?」
え、なに? 話しかけられた?
剣を持っているし、もしかして騎士?
なんで声をかけてくるのかな、どうしよう
なにか変なことしたかな?
とりあえず話は聞こう。お前を捕まえる!みたいなことになったら逃げよう。
うん、そうしよう。
「な、何でしょうお姉さん。あと僕は♂です…」
そう恐る恐る、お姉さんに聞いてみた。
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