第3話 騎士のお姉さんとおねショタ?

お姉さんに聞いてみたけどなぜか黙っていたのでこちらから声をかけた。


「あ、あの、どちら様ですか?」


「ん?私はこの街の騎士の人だよ。かわいい狐さん。」


騎士?どどどどdどうdしよう。

なにか問題を起こしたのだろうか。

見た目は青髪でところどころ灰色のメッシュがある。身長は170以上あり、大きい。声は優しくて心を許すとすぐに絆されそう。お姉さんタイプなのかな。

腰に剣を挿し、プレートを身に着けている。


「えっと、何かしましたか?」

恐る恐る聞くとお姉さんが答えてくれた。


「先ほど通報があってね、狐耳の女の子がう人気のない路地裏に行ったから捕まえろだって。」


少しだけ身構えて何かされたら逃げようと思ったけどお姉さんからは敵意は感じなさそう。


「そんなに身構えなくていいよ、保護しろって言われてるだけだからさ。」

お姉さんが優しく声をかけてくれる。


「あの、ど、どこかに連れていかれる感じですか?」


「そうだね!とりあえず領主様のところに行ってお話かなぁ?」


何を話すんだろう。


「あ、でもちょっと待ってね?」

そういうと後ろのプレートを外して前に持っていく。


「あのー。どうしたんですか?」


「んっ!とにかく行こうか!ほらおいで!」

警備のお姉さんが突然しゃがみ始めた。


「ええと、なんですか?それ。」


「え、おんぶだけど?結構歩き回ってたら疲れてるでしょ?」

びっくりした。なんて優しいひとだ。僕はちょろいからもう絆されそう。


「そうですか。あ、ありがとうございます。」

身構えるのをやめ、お礼を言いながらお姉さんの背中に乗った。


おぶられたままお姉さんと雑談し、しばらくすると疲れからか瞼が重くなってきた。

おんぶしてもらうのは何年ぶりだろう。大きくて暖かい。

駄目だ、眠いなぁ。このあと領主様とお話あるんだってぇ。でももうちょっと頑張らないと。

そんなふうに考えていても寝てしまう天狐であった。



「あーあ、寝ちゃった。これじゃあお話は明日になりそうだね。」

お姉さんは苦笑いしながら領主様の家に向かうのであった。



そして翌朝。


コケコッコー!!!

なんという誰しもが聞いたことのある音がして、目覚める天狐。


「ふあぁ~」

大きめのあくびをして体を起こす。

なんだろう、滅茶苦茶ぐっすり眠れたんだけど。

いいにおいがする。

なんか柔らかいし。なにより揉みごたえがある。

そう思い、ボーっとしていると昨日のことを思い出した。


「あ、昨日お姉さんの背中でぐっすりしちゃったんだ。

でも見たところここは領主様の屋敷だよね?たぶん。」


一人で大きな声で話していると横から声が聞こえてきた。


「んっ、いきなり大きな声で騒がないでよぉ。

あとそこ触るのはえっちだよぉ…」


その言葉を聞き手に触れている部分に目線を下げるとすごくすごいものが目に入ってきた。手が服の中に入っていて、直接それを触っていた。

しかもそれは大きくて分厚くそして柔らかすぎた。


「ご、ごごごごめんなさい!そしてありがとうございました!」

光の速さで手をどかし変なことを口ずさむ。

しばらく悶えていると女性が起き上がってきた。


「おはよう、ぐっすり眠れたみたいだね。えっちな狐さん♡。」

やさしげな表情で女性が声をかけてきた。


「あ、騎士のお姉さん。お、おはようございます…

それとふ、服がはだけてますよ。」


「いや~ん、見たの?えっち。」


「な、なにも見てませんよ。」


「昨日あんなにすごかったのに?」


「え、な、なにかしちゃいましたか?」


「…ひ、み、つ。」


ほんとに昨日は何をしたのだろう。

怖くなったのでとりあえず話を逸らそう。


「あの、なんで、一緒に寝てたんですか?」


「それはね、君がずっと離れなくてね、そのまま一緒に寝ちゃったんだよ。君、体温高いから抱き枕にしちゃった。この甘えん坊さんめ。」


「ほんとすみません…」

そうだったんだ、どおりでいい匂いが体に纏わりついてる。

おそらく腕枕をしてもらっていたんだ。でも気持ちよかったなぁ。

何年かぶりに甘えられた。


「じゃあ起きて早々悪いけどお風呂に入ろっか。このあと領主様に会いに行かないといけないからね!それに昨日寝ちゃったもんね。」


「は、はい。」

このあと男湯に案内されお風呂に入り、お風呂を満喫する天狐だった。



その後はお姉さんに連れられ領主様の部屋に案内されることになり、部屋前までやってきた。


「じゃあ今から領主様に挨拶しよっか。準備はいい?」


「は、しゃい。」

噛んだ。


返事をすると騎士のお姉さんはドアに向かってノックをし始めた。




























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