第18話 特訓お願いね?ませた狐さん♡

G事件の翌日、今日も仕事が終わったので部屋に帰っているところアースランドさんに呼び止められた。


「天狐ちゃーん!久しぶり~!」


「あ、アースランドさん。こんばんは。」


「こんばんは!可愛い狐さん。今いいかな?」

そういうと頭を撫でてくる。


「いい、ですけど、どうかしましたか?」


「うん、ちょっと今から私と付き合ってほしくてね?」

ふぇ?それってデートってこと?でもとりあえず要件を聞かなくちゃ。


「ええと、何の用事で、ですか?」


「私の特訓に付き合ってもらていいかな??」


「え、特訓、ですか?アースランドさんは十分、強いと思いますが。」


「ううん。確かに私は強者側だけど、それでもほかの国には上がいる。だから相手になってほしくてね?ほら、天狐ちゃんなら全力出しても平気だと思うし!それにこの前退治してくれた害獣さんは結構強いほうだよ?騎士でも数人がかりで倒すらしいし、私は1人でも十分だけどね。」


あのお肉、強かったのか。この世界のお肉は強いほどおいしいのかな?

「わかりました。そ、そういうことならお手伝いします。」


「え、いいの?」


「え、いい、ですけど。」


「ありがとう!じゃあ決まりだね!屋敷の外で待ってて、屋敷や屋敷の皆も見たいらしいから連れてくる!」


「わかり、ました。」

え、皆に見られるの?なんか恥ずかしい。


「あ、それとね?」


「?」


アースランドさんが少し頬を赤らめながら僕に対して何か言おうとしている。


「特訓終わったらデート行こうね?ませてる狐さん♡」


「こ、心を読まないでください。」


こうして準備をして屋敷の前に集まり騎士の訓練所まで訪れた。

到着すると騎士の方々がお出迎えしてくれた。


「領主様!奥様!ようこそいらっしゃいました!アースランド様もお帰りなさいませ!」


「おかえり~。急にごめんね?でもさっそく始めたいから準備お願いね?」


「ハ!かしこまりました!皆準備にかかれ!」

アースランドさんが指示を出し騎士の方々が準備を始める。


「じゃあ私も準備してくるから天狐ちゃんも準備しておいてね!」

そういうとアースランドさんは建物の中に入り、準備し始めた。


「こ、ここが騎士の拠点ですか?屋敷とずいぶん近いですね。」

気になることをサンドレス様に聞いた。屋敷と騎士の拠点は徒歩10分くらいだったので。


「そうだ、屋敷が近いと色々便利だからな。だから娘も週の半分くらいは家に帰ってきている。それに君が来てくれたおかげで屋敷の防御力が上がった。いきなり来た君に屋敷の守護を任されてな、不満を持つものがいるがこの戦いを通して理解してくれるだろう。」


サンドレス様が解説してくれた。そうなんだ、だからアースランドさんは家にいることが多いのか納得できた。最近家には帰ってないけど、忙しいのかな?

それに、不満を持つ人はいるよね。いきなり来たどこの誰かも知らない獣人が屋敷の守護を任されれば騎士のプライドにも響くはずだ。


「わかりました。頑張ります。あ、あと一つ問題が。」


「どうした?」


「屋敷の警備をしてる騎士に連絡できるものを持たせてあげたらいいのかと、わざわざ役所の中に来るのは大変かと、即連絡できないのは駄目だと思います…」


サンドレス様が顎に手を当て考える。

「確かにそうだな、考えておく。」


「あ、ありがとうございます。」


「話を戻すが、準備はできてるか?」


「はい、大丈夫です。」


「それと娘は強いぞ?相手は剣を使うが武器はあるのか?」


「ええと、あります。小刀があるので大丈夫です。」

どこからか隠している小刀を取り出す。


「…どこから取り出した?」


「企業秘密です。」


「そうか、それで小刀で戦うのか?」


「はい、見てのお楽しみということで。」


「そうか!期待しているぞ!」


「はい。」


「じゃあ我々は観客席で閲覧するとしよう。それでは。」

そういうとサンドレス様たちは観客席のほうに移動した。


「おまたせー!」

戻って来たみたいだ。


「ごめんね?準備できた?天狐ちゃん。」

アースランドさんが声をかけてきた。


「はい、大丈夫です。」


「それじゃあ早速始めようか!」


「わかりました。お願いします。」


二人はそういうと構え始めた。









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