第17話 Gとの闘い。
仕事が始まり1週間くらい立った。問題は起きてなくむしろ暇だった。フェデリカさんたちには相変わらず膝の上に座らせられたりマスコットにされていた。浮けるので負荷はかからないようにはしているけど。
害獣の件以来、少しだけ人気者になってしまってあのときいた人たちが度々役所に話に来てくれた。重症の人も何とか生活はできていると聞いて安心した。それと少しコミュニケーション能力が向上した気がするし、屋敷の人たちとも少し仲良くなれた自覚がある。アースランドさんにはいつもからかわれているが…
それと害獣は小さな山が近くにありそこから侵入したのではないかと思われているらしい。今度調査に行くとか。
今日も仕事が終わると食堂に夕食を食べに行く。そして満腹になったらお風呂に入りさっぱりする。
狐族は基本的には水が苦手だが僕はその逆で温泉とかが大好きだ。長湯してしまい気が付けば3時間くらい入っているときもある。そのためここに住んでいる執事さんたちや領主様とも会う。
特にオレロと仲良くなり一緒に畑に行くようにもなった。オレロは変態だけど気にしない。男同士だからね。それにきっと僕が可愛いのがいけないんだ。迫られたらきっぱり断るからね。でも男友達ができるのはうれしい。
今日もまた、夜になった。僕はノエミさんたちとの勉強会の後に最近やっている夜のルーティーンを行う。
まず夜の屋敷内を見回りする。天星眼で感知はできるが魔力を消されたら捉えにくいのでしっかり目で見て回る。実際のところお化けがいるのかなと気になり屋敷内をうろついているだけだけど。これがスリルがあって面白い。屋敷もおおきいのでここ最近は毎日うろついている。
次に屋敷の外も見てくる。畑やゴミ捨て場など人が居そうなところを見て歩く、人気のいないところは怖いから行かないとかじゃないぞ。決してね。
最後に上空に行き、ステリオス領の魔力感知をする。なんで空に行くのかはなんかかっこいいからだ。
そうして夜のルーティーンが終わり部屋に帰ろうとすると音が聞こえた。
「ガザガザ」
この音は聞いたことがある。黒光りしていて素早くそして飛行能力があり僕の嫌いな物。
「ま、まさかここにもいるのか?Gちゃんが!」
そう言葉を発すると歩くのをやめ耳を澄ませ居場所を探る。狐族は耳がいいから探ることはたやすいことだ。見つけた。ここから約10m後ろの方向!
「カサカサカサカサ!」
Gちゃんが動き始めた。こんなに小さいのにとてつもない速さだ。常人なら目が追い付かないかもしれない。だが僕は九尾だこれくらいのことは朝飯前。標準を合わせ炎の魔法でGちゃんを焼き殺してあげる。
「炎よ貫け。」
その言葉をつぶやくと小さな火の槍が出てGちゃんに向かって飛んでいき、爆散する。
「ふ、大したことなかったな」
見事命中して目標の駆除を完遂した。しかしとてつもない過ちを犯してしまう。それは屋敷の一部が焦げてしまった。
「や、やばい。どうしよう。怒られる。」
「なにがやばい?行ってみろ。」
急に声が聞こえて後ろを振り向くとサンドレス様がいた。
終わった。なんでいるのこの人
「あ、あのいつからここに?」
「動きが止まったところからだ。たまたま見かけてな、そしたら急に動きを止めたからどうしたものかと。それで何をしていたんだ?」
おそらく、いや多分、いや完全にばれてる。
「えええ、えっとこれはそのGがいまして、駆除していたところです。」
「そうか、ならこの床の焦げはなんだ?」
おうち帰りたい。
「炎の魔法で跡が付きました。すみません。」
「…この屋敷は木造だぞ?仮に屋敷が燃えたらどうする?責任が取れるのか?」
「ほんにす、すみませんでした…」
「次からは気をつけろよ。せめて水魔法で駆除しろ。」
「はい、気を付けます。」
「それと床を焦がした罰だ。」
「え、」
「明日はおやつ抜きだ。いいな?」
な、なんてことだ。食後のデザートが…
「くぅーん。」
明日、少しかわいそうな顔をする天狐を見てたらご飯が進む人たちがいた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます