第13話 起きるとそこには絶景が。
コケコッコー!
昨日も聞いた音が耳に入り、あくびが出る。
寝返りを打つと頭にやわらかいものが顔に当たる。手で触ってもすごく柔らかい。
ああ、眠い、二度寝したい。働きたくない。そう顔を埋めながら寝ぼけていると、この部屋にいるはずのない声が聞こえた。
「…おはよう、この寝坊助でえっちな狐さん♡」
「ふぇ?」
変な声が出る。目を開けるとそこには絶景が広がっていた。
その人の顔を見ると真っ赤で、ずっとこのまま楽しんでいたい。
少し堪能すると意識がはっきりしてきて青が真っ青になった。
「おおおおおおおおおはようございます!アースランドさん!すすすみません!変なとこ触ってしまって!」
光の速さで手をどかし、思わず飛び起きてしまい、土下座する。
「このエッチさんめ。」
顔を真っ赤にしながらもこちらをからかってくる。やってしまった。
「なんでベッドに潜り込んでるんですか!」
「いやぁ、つい寝顔が可愛いと思ってね!」
「び、びっくりしたじゃないですか!」
「あんなに幸せそうに堪能してたのに?」
「あ、あれは寝ぼけてただけです!脅かさないでください!」
「へぇ、寝ぼけてたら触ってもいいんだぁ?」
「いや、そういうわけじゃないですけど…
大体何時からいたんですか!」
「天狐ちゃんが起きる3分前だよ?ぐっすり眠ってたから気づかれなかったね!」
「え、さっきですか?昨日部屋に誰かいた気がしましたが…」
「昨日もいたよ?寝姿を写真に撮っただけだよ?」
そういうとアースランドさんは僕が爆睡している写真を見せる。そこには寝相がひどく、布団を投げ出している自分が写っていた。
「なに勝手に写真撮ってるんですか!著作権侵害ですよ?!消してください!」
アースランドさんに飛び掛かり、写真を奪おうとする。
しかし写真を胸の中にしまわれ、からかわれる。
「だーめ!これは罰だからね?返してほしかったらほら、とってみてよ♡」
大きい胸を揺らしてこちらをけん制する。
「そ、そんなことしませんよ。それに罰なら何も言い返せない、です。」
「残念。でもいいじゃない?減るもんじゃないし!大体鍵をかけずに眠るなんて無防備すぎない?」
アースランドさんの目線が下に行く。
「え、いやぁ、その、襲われたこととかなかったので、つい…」
「…なら今度から鍵をかけてね?じゃないと今日みたいにベッドもぐりこむからね!」
「いらないです!」
顔を赤くしながら心の声と真逆のことを言い、否定する。
次から鍵をかけよう。やっぱりそのままにしておこうかな。
「それと、き、気を付けます。あと、ベッドには潜りこまないでください。びっくりします…」
「なんで?」
「いや、なんでって、その、常識的に考えて…」
「わ か り ま し た !じゃあ、あと早くその、処理、してね?」
そういうとアースランドさんがいつの間にか顔を横に逸らしている。ただ目線は一緒のままだ。なんで顔を逸らすのかわからなかったが目線の先を見れば一目量産だった。
「こ、これは生理現象ですからね!勘違いしないでください!」
このあと顔を真っ赤にしながら準備するのであった。
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