第4話盲目の将棋指し

あれはまだ、20代だった。

将棋大会に出場したときだ。三回戦で負けた大会。

そこに、目の見えない将棋指しがいた。

その人は、隣に女性がいて、先手七6歩。と、言うと。

盲目のひとが、八4歩といって、助手が駒を動かした。

棋譜を読み上げるだけで、彼の頭の中には将棋盤があるのだ。

注目していたが、1回戦は勝っていた。

とても、強い人だと思った。


棋譜だけで、相手の攻めをかわし、最後は17手詰め。

間違えなかった。


僕は良いもの見た!と、思った。

江戸にも盲目の棋士がいた。

名前は忘れたが。

まだ、お元気かなぁ。

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