第2話弟の焼酎指南

5年前に鹿児島に帰った。まだ、父が生きている頃だ。

毎晩、父と芋焼酎を飲んでいた。

弟は家庭があり、車で30分の隣街に住んでいた。

ある日、弟と居酒屋で芋焼酎を飲んだ。

弟行きつけの店だから、ボトルキープしてあった。

グラスに氷を入れてお茶で芋焼酎を割って飲んでいた。

すると、

「兄ちゃん、まだ、そんな飲み方してるの?」

「どう言う意味?」

「これで、飲むんだよ」

と、先ほど飲み終えた生ビールのジョッキに氷を鷲掴みして、緑茶少なめ、芋焼酎をドクドクドクと注ぐ。


名古屋でジョッキで焼酎を飲んだ事は無かったので、驚いた。

そして、弟は僕よりも飲むわ飲むわ。


シメにラーメンを食べた。

僕は替え玉した。

「兄ちゃん、まだ、食べるの?」

「うん」


帰宅したら、花壇でリバースした。翌朝、スコップで土に埋めた。

弟の焼酎指南。

真似すると、吐きますので。

ジョッキで7杯はキツかったが、ラーメンが効いたな。

鹿児島に帰ると2人だけで飲む日もあった。

嫁さんにも遠慮なく話せる内輪話が出来る機会が欲しかったからだ。

だから、僕は言う、

「お前、焼酎の飲み過ぎでおでこが広くなるんだ!」

と。

弟は笑っていた。

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