第2話 7日間
・奴隷生活1日目。
泣いた。あたしは自分の今の境遇に耐えかねてひたすら泣いた。
なんであたしが。あたしは何もしていないのに。
すると、見張りの男の人がやって来て、あたしが入っている檻を開けてくれた。
もしかして助けてくれるの?
そんな期待をしたけど。
『うるせぇんだよこのクソガキが!』
それは全くの的外れ。男の人は檻の中に入ってくると、あたしを何度も鞭でぶった。
・奴隷生活2日目。
裸を男の人に見られて触られた。
くすん。お父さん、お母さん。ごめんなさい。あたし……もうお嫁にいけないみたい……。
最後に、「健康状態に異常なし」とお尻をペシんと叩かれた。
「はうっ」
・奴隷生活3日目
紙とペンを出されて『自分の名前を書いてみろ』と言われた。
あたしは文字が書けないので、首を横に振った。
80 C(サークル)のりんごを3つ、30 Cのみかんを5つ買った。合計いくら?
何を言っているのかさっぱり分からなかったので、あたしは首を横に振った。
すると、大きなため息をつかれた。
・奴隷生活4日目
今日はスーツ姿の男の人に身体中を見られて
そして最後にこんな会話をされる。
『いくらになりそうだ?』
『処女だけど、腹にアザあるし、胸も小さい。教養もないみたいだし、いいとこ150万 Cってとこだろ』
『ちっ、しけてやがる』
……胸が小さいは余計だと思う。
・奴隷生活5日目
とうもろこし10粒とお水コップ1杯。これが1日の食事だ。
足りないところの話じゃない。
でもずっとお腹を鳴らしていると、見張りの人に鞭で叩かれるので、お腹が鳴らないよう今日は一日中お腹を押さえてうずくまっていた。
お母さんのアップルパイが食べたいよ……。
・奴隷生活6日目
奴隷は人間じゃない。ヒト以下のモノだ。
だから未来なんてないし、当然、料理人にもなれない。みんなを笑顔にもできないし、胸を張っても、生きてはいけない……。
そんな事実を改めて実感すると、何もかもが堪らなく悔しくて、悔しくて……枯れたはずの涙が止まらなかった。
・奴隷生活7日目
あたしの買い手が決まったらしい。
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