8月21日、もうすぐ夏休みも終わる。昨日は石川から帰ってきた疲れでぐっすり眠ることができた。カーテンを開け、部屋に太陽の光を取り込む。あーいい朝だ。俺は毎朝白湯をコップ一杯飲むようにしている。それをする理由って？それは…体がいい感じになってその日いい感じに過ごすことができるんだよ。

白湯を飲み込んだときも違和感はなかった。親はすでに仕事に行っていたので人と話す機会がなく気がつくのが遅れてしまったのだ。そうして起きてから初めて声を出したのが、飼っている猫に話しかけた時だ。あれ？声が出ない。声が枯れてしまったのだろうか。でも昨日はそんな声を出してないし、喉も痛くない。完全に声が出せなくなることなんてあるのだろうか。若干の焦りを感じつつ俺はスマホで調べた。田舎にいてしばらく考えていなかったが今世間は宇宙人予言者の話で盛り上がっている。調べたらすぐにわかった。どこも騒いでいる。宇宙人予言者が昨日『体に異常が起きる』っていう新しい予言をしたらしい。急に怖くなった。声が出ないっていうより声の出し方がわからないんだ。体の異常…俺は宇宙人予言者に喋れない体にされたっていうことか。