第一章終わりまで
なんか悪くも悪くもカルチャーショックです。
すごい、簡単な文章でした。
かねてより、この手の話は設定が共通認識されているから細かな説明は不要とは聞いていましたが、ここまでとは思いませんでした。
なんというか、定例文に固有名詞を入れただけの、穴埋めみたいな、想像以上にガッチリとしたテンプレがあるような印象です。よく言えば読みやすい文章、悪く言えば没個性的、面白くはないです。
で、それがずっと続くわけです。
ぶっちゃけレンタルDVDのパッケージの裏のあらすじみたいな文章で、ストーリーについての説明が延々と流れていく感じです。
自分の書いてきた文章や読んできた本に比べると半分か三分の一ぐらい、イベントがサクサク進んで流れていく倍速映画みたいな感じです。
そのせいか描写が乏しい感じがします。
初対面に対する印象、初めての光景に対する説明、ざっくりと心象は書いてあっても、具体性がなくて、頭の中に何も浮かび上がらせることができないです。
否定的に受け止めてしまいますが、思えばこれは女性向け、それも立派に書籍化しているということを思い出せば、こういうのが女性には好まれるのでしょう。
たまにネットで見かける男女の差で、男はすぐにウンチク垂れるみたいなのがありましたが、逆に女性はここまで簡素で具体性のない話が好みとなるとそりゃあ話が合わないだろうなーと。
ストーリーについても奇をてらう要素はほぼ皆無です。
ベタに、途中で生えてきた妹に婚約者を奪われ、城を出た侯爵令嬢が、生えてきた善人イケメン王子様に助けられてどうこうです。
それが上記の通り簡素な文章で淡々と、あっという間に進んでしまうので、正直ダイジェストにしか思えなかったです。それも、事前に内容知っている相手に思い出してもらうための文章が、第一巻一章より続く、わけです。
これが面白いと思っている相手に文章を書く。
……無理っぽいなぁ。
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