第5話
「部活の時間ですのでそれぞれ案内いたします。」
そう言われて燐はトラックへ、凪は武道場へと案内された。
「今日から1ヶ月間2日に1回ここに来ることになった花神です。」
「何で自動車競技部に、先生がいないからてきとうに選んだな。」
「認めてくれなければレースでもしてくれればいいんじゃ。」
そう言うことでレースをする流れになった。
「じゃあレースは2日後、車体はこちらで用意する全く同じものを使用する、ラップタイム制で5周。」
目の前に2台の車が用意された。
「別に1周練習させてくれたら今すぐでもいいんだよ。」
「なめられてますね。それならエースにでてもらおうか。」
「花神燐か。相手にとって不足なしだな。」
「知ってるんですか。」
「知ってるもなにも。スーパーGTのアマチュア部門で二位との同じ機体だから無駄を全て排除しなければならないのに5秒以上の差で優勝していた徐霊師だよ。この部活に入っていたんなら当然のことだと思ったんだがな。」
マシンを二台の出してくる。鉄のパイプを曲げたような見た目のものが二台ブレーキもエンジンも十分
「これでいいのかい。」
マシンに乗り込んで聞いた。全員が頷いてマシンを発車させる。いつものようにゴテゴテの改造は施されていないから運転は簡単だった。
「感覚がつかめた。もう準備できたよ。早速やろうか。」
「それではフラッグ全員ついたのでここに電気流しますね。」
赤に光る。緑になると同時にそのマシン達は勢いよく飛び出した。最初はなれないコースにエース側が優勢出あったが、スリップストリームを利用し難なく食らい付く。タイヤとブレーキが暖まるにつれ差は縮まり、半分に満たないうちに追い抜いてしまった。そこからは追い付かれることもなく、ただ差が開いていくだけだ。その差は6秒。乗り上げなどの技術を使用し、また出来るだけ早くにタイヤとブレーキを本調子にしたその知識量とそれに見会う実力でちゃんとした設備で鍛えれば徐霊師よりも稼げるとも言われたレーサーの走りを見事に見せつけることができた。
「わかったかな。今のこれが私と君の実力だよ。」
「愛車とのレースも見てみたいですね。」
全員が燐を認め、さらに慕うようになっていた。そうして学校の駐車場までいって車を取りにいった。たしかにスポーツモデルの物ではあるが、今日は潜伏用の乗りなれていないものだったため、あまりタイムが出なかった。
「タイムをはかるのは明日で良いか。ちゃんとした車を持ってくるから。しゃがんでくれ。」
「霊が多くなりましたね。50は居ますけど助太刀しましょうか。」
「いやお前らは逃げてくれ。俺もその方が集中できる。」
「分かりました。」
そう言って離れていく生徒たち。追いかけようとする霊をとめる。
「おい今は俺が相手だぞ。それともここで逃げて身の安全を確保するか。三夏技白藤」
藤の花のような形をした白いはなが出てくる。
「戸惑ってるようだが珍しいか。妖刀がか。それとも白い藤の花か。藤の花は架空のものだからな。触れるがそれに触れたらおしまいだぜ。」
白い藤の花は霊にとっては毒が入っており、皮膚からでも吸収される。ただし人間はこの毒は分解でき簡単に解毒できる多少痒くなるていどの毒である。しかし半分以上は構わず進んでくる。
「外幻化・開花・毒霧」
毒は霧散し広がる。その過程で大量の霊は大半が葬られる。しかし耐えるものも当然いる今回は特に数生き残らなかったが、最後の一体が異様な変化をとげる。周りの霧散した霊力を塊にして飲み込む。毒も克服した様子で、ダメージも回復していく。こうなってしまえば三夏技白藤の外幻化では太刀打ち出来ない。
「外葬生幻化・花斬」
何を思うか燐は生幻化を外葬力つまり妖刀の霊力を使って発動する。毒が聞かないとはいえ斬撃は効くのでダメージは入る。それを誰も試したことの無い外葬生幻化でやってのける。初めての試みに疲れが押し寄せる。
「とどめだ。九重之櫻迅」
最後の最後にだけ使うことで妖刀の反動を極限まで減らし妖刀の霊力に慣れようとするこれものかなか高度な技術で、まだ誰もやっていない。理論的には可能であるとされているが相手のレベルや時間という点で難しくなっている。特に相手のレベルを見誤ると効果が薄く練習にならない。霊を一回ですべて倒せるようにして、妖刀の霊力をすべて使いきり新しい霊力を補充すると負担が大きくなるが早く妖刀の霊力に慣れることができる。これを何度も繰り返すと使用霊力が少なく威力が高くなる。
「終わったぞ、でてきな。」
「ありがとうございました。あの数の霊を一人で。」
「徐霊師ならこれくらいは基本だがな。祓魔師はもう少し少なくとも構わないが。」
「それじゃあ時間もあるし解散にしようか。」
霊葬ノ花苑 桜最中 @arekutoru
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