第3話

「祓魔師が表の仕事になって100年が経ちましたか。」

「そうですね。ところで校長今回はどういった件で。」

「学校の第二音楽教室からないはずのピアノの音がするんですよ。生徒によると吹奏楽で使われる楽器がよく聞こえるとか。吹奏楽部は第一音楽室で活動してまして、第二は昨年まで日本音楽部が使ってまして、まだ箏や尺八なんかならわかるんですがなぜ吹奏楽なのかそこまで含めて調査してもらいたいと思います。最低限もし霊の類いな場合悪なら除霊を優先でも構いません。」

「わかりました。ところで教育実習とのことですが何を専攻している体で行きますか。」

「得意分野はあるかな。」

「こいつは情報を私は科学を得意としています。資格も一応ありますのでこちらをどうぞ。」

そういって自己表明の用紙を二枚出す。

「君たち祓魔師だろ。結構色んな資格持ってるんだな。」

「はい。また着く部活はどうしましょう。」

「今怪我で教員がいなくてね射撃部と剣道部、競技自動車部が空いてるよ。」

「期間は一ヶ月だから二人で分担しながらやらしていただきます。私は剣道部をこいつが射撃と競技自動車をします。」

驚いた顔をしていた。

「あれあなた花神燐さんじゃないですよね。なぜあなたが剣道をするのですか。」

「剣にも色々あるんですあいつのは対霊の真剣術。対して高校で使うのは対人のもので応用をしなければ本当の場面での活躍はあまり期待しない方がいいもの。本質が違うんですよ。これは強化や術の使用を前提とした動きですので。その剣術をしたことのない私の方が適任だと言えます。それに自動車競技部は最適任だと思います。祓魔師は死の可能性からある程度その給料は高く設定されています。しかもあいつはその給料の大半を使ってわたしの事務所の駐車場の半分以上を埋め尽くしているので。」

「おっと話してる場合ではないようですね。すいませんうちの式神は現在破壊修復中でしてそのため呼んだのですが。霊が来ましたね。」

少し高位の霊が現れた。学校の環境では別に珍しくないのだが、それでも素人時代はなかなか苦戦していたくらいの。

「九重之櫻迅」

「ここは俺にやらせてほしい。いつもお前ばかりだから。」

燐は理解しうなずく。

「葬力変化炎」

周りの温度が上がっていく。霊は近づくことができなくなりその場でとどまっていると、

「葬力変化雷」

電撃が走る。スタンガンのように相手に押し付けた手から電気が放出される。ただそこまで大きなダメージが当たらなかった。

「葬力変化雪」

氷が辺りを覆う。しかし霊はすり抜けを駆使してギリギリでも避けていく。

「生幻加・朧」

周りに霧が立ち込める。ダメージがないものの困惑している様子だった。霊も高位となれは知能を持つ。ここが室内であることを承知であるため霧ができるわけがないと知っているからだ。相手の知識はときに自身の武器となる。温度変化だけだと思ったのか全く避けなかった。

「葬力変化炎」

今度はしっかりと炎がでて霊を燃やす。霊は断末魔をあげて消えていった。

「じゃあこれで一件落着ですね。話の続きしますか。」

「いや、君の動きで分かったよ。先ほどの分け方が効果的なんだと。今日はもう解散でいいですよ。こちらから伝えたいことは終わりましたし。」

「それなら月曜からよろしくお願いしますね。」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る