第11話 ヤナギの女

 この夢の話しは、江戸のような場所の川のほとりにあるヤナギの木の近くで起きたものです。


 自分は小さな川の近くに立っていました。

 川のほとりには草が生い茂りヤナギの木が立ち並んでいます。


 その時間帯は恐らく真夜中だったと思います。

 周囲は月明かりのみ。人の行き来はありません。


 そんな中、川に近い草むらの方で、──ガサガサという音が聞こえてきました。

なにかと思い、そちらに向かうと、長い黒髪の女の人が四つん這いになっています。

 よく見ると、女性の右手には包丁の様な刃物を持って何度も地面に向けて突き立てていました。


 何か異常さを感じ、見つからない様に恐る恐る近づくと、その女性の下には男性が横たわっていました。


 女性はその男性に向けて何度も刃物を突き立てていたのです。男性は血だらけで、すでに生き絶えていることが分かります。


 何かヤバいものを見たと思い、その場から離れようとすると、女性がこちらを見たのです。


 その目は大きく開かれ、血走っているように思えます。


 すると女性は、「──ダレ……?」と不気味に声を上げます。

 自分は後退りしその場から離れようとすると、女性は信じられない速さで近づいてきました。


 そして女性は右手に持つ刃物を自分の右肩に突き刺しました。

 その瞬間、激しい痛みと血が出る感覚、段々と熱くなる肩……。


 そして目が覚めました。


 起きたのですが、右肩に違和感を覚え見てみると何かが刺さった痕跡がありました。血は出てはいないのですが、痛みはありました。


 少しすると痕跡は消えていました。 

 ですが時々、未だに痕跡が現れています。

 

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