第2話 男の人の声が聞こえる
度々不思議な夢を見る中、次に印象に残った夢は、とある場所へ行く事になったお話しです。
自分は何かの建物の中にいます。コンクリートでできたような壁。廊下のような場所。
そこから外が見えるので視線を向けました。
眼下には大きな川が流れています。そのことから今いるところは建物の上層階だということが理解できました。
視線を戻し周囲を見回すと、左隅の方。
一段高くなった場所があります。入口の両サイドには《
自分がそこに近づくと、その二体の狛犬が動き出しました。
台からのスッと降りると、その姿は《
数回まわったその後、天を仰ぎ鳴きました。
すると、さっきまで何もなかった場所に幅が約1・5メートル程の道が現れました。長さは100メートル位だったと思います。
それは空中を渡す様に架かっていました。
その向こうには薄っすらと霧がかかりながらも周囲を2メートル程の壁に囲まれた建物が見えました。
白狐に促されるままその道を行き、中へと入りました。その中は神社の境内のように小石が一面に敷き詰められ、建物に続くように石畳がありました。
ここには白い袴のような物を履いた人達が数人。
皆、手には竹ぼうきなどを持ち地面を掃いていました。その人達は物珍しいように自分に視線を向けています。
この状況にどうしたらいいか分からない自分は、キョロキョロと視線動かしていると、右手側にある建物の階段上から同じく白色の袴を履いた男性の視線が、こちらに来るように促していました。
この建物は平安時代にある様な寝殿造のような建物で、幅の広い数段ある階段に、その外縁には廊下がその裏まで続いていました。
その場に行くと男性は着いてくるように言いました。それに従い自分はその後ろを着いて行きました。
外の廊下を裏手に進むと、上に続く長い階段がありました。
自分は少し不安になり男性に聞きました。
「この先はどこに繋がっているのですか?」と。
男性は言います。
「──着いてきてください」
この長い階段を上る間、何度か不安になった自分は同じ事を聞きました。ですが、男性は黙々と階段を上るだけで答えてはくれませんでした。
そして、上り始めて10分程でしょうか、漸く目の前に木造の両開きの扉が現れました。
男性はノックをすると「連れてきました」と言いました。それに反応するように扉が開くと、中は畳が敷かれています。
また、複数の白い袴を履いた方々が両サイドに分かれ、正座をしています。
その奥には殿様などが座る一段高くなった床がありました。
その前には中が見えないように簾の様な物が垂れています。
自分は促されるまま床の手前まで行くと周囲と同じように正座をしました。
すると、中から男性の声が聞こえます。
『漸く会う事が出来ましたね。あなたに会う事を楽しみにしていましたよ』
これに自分はどう対応していいか分からず、ただ不安が募るばかりでした。
そして、気がついた時には自分はその簾を剥ぎ取ろうと行動していました。
すると、座っていた周囲の方達が一斉に立ち上がると自分を抑えようとしていました。
『無礼だ!』『止めぬか!』『何をしている!』など声が飛んでいます。
ですか、簾を外した奥には誰もいなかったのです。
しかし、声はどこからともなく聞こえます。
『まだあなたと会うのは早かったようですね。また機が来たら会いましょう』
そして夢が終わり現実は戻りました。
以上が今回の話になります。
読んで頂きありがとうございます。
───── ◇ ──── ◇ ──── ◇ ─────
次回は、お社ではないですが、とある《少年の姿をした》者と会話をした夢の話を書こうと思っています。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます