第3話 禁止事項
取り敢えずあのクソ馬鹿を永遠に恨む。
そう決心しながら俺は勉強をする。
アイツ以外ならみんな良い奴なのに何でアイツだけあんな感じなのかねぇ。
思いながら俺は窓から外の景色を見る。
そうして昼休みになった。
俺は当山を見てから「飯にすっか」と言う
すると当山は「だなぁ」と言いながら俺の所に椅子を持って来る。
と同時にドアが開いた。
そしてそこに...陸羽が居た。
「先輩♪」
「な、何だ。陸羽。珍しいな」
「一緒にお昼食べましょう」
「「「「「ああん?」」」」」
教室中が俺への敵意に変わった。
「あの木村とやらはマジ殺そうか」と言う感じの敵意に。
ジト目で俺を見てくる教室。
当山ですら汚物を見る目になってから「仕方が無い」と涙を拭いて立ち上がった。
「行けよ。二度言わせんなよ」
「...何だ?珍しく素直だな」
「いや。後で殺して穴には埋める。墓石ぐらいは添えてやる」
「おう。やっぱりマジに死ねよ貴様」
そう言いながら俺は教室を離れて陸羽と中庭に行く。
それから俺は外に出てから陸羽に「何で今日は来たんだ?」と聞いてみる。
すると陸羽は「私、先輩の事が大切なので」とニコッとする。
俺は「...しかし」と言う。
陸羽は「知っています。恋とかはしないと思います」と言ってくる。
「...私は先輩が好きとかじゃないですよ」
「なら良いんだが。こんな俺なんか好きになっても意味無いしな」
「ですね。アハハ」
陸羽は俺を見てくる。
俺はその顔を見ながら穏やかな顔になる。
そして中庭にやって来る。
それから俺は陸羽を改めて見た。
「...陸羽。俺さ」
「はい」
「...俺は...これでも好きだったんだよな。アイツの事。だから凄くショックだ」
「分かります。...だけど浮気されたからにはもう捨てた方が良いですよ。そんな女」
「諦めがつかないのが男だ。...暫く引きずると思うけど気にすんな」
「...そうですか。なら私が...」
最後の言葉が聞こえない。
「何を言ったんだ」と陸羽に聞いてみる。
すると人差し指を唇に添えた陸羽。
それからウインクする。
俺はその姿に少しだけ赤面する。
「あ。先輩赤くなりましたね?」
「煩い。...お前は顔だけは良いんだから」
「...アハハ。有難う御座います」
俺はその姿を見ながら「ったく」と思う。
それから俺は青色の包みを広げる。
因みに陸羽は赤い包みだった。
俺達は広げ合う。
そこには美味しそうな感じで食材が並んでいる。
「というかお前...料理が得意なのか?」
「はい。私、父子家庭になってから凄く料理が得意になりました」
「...お前を好きになった人、もしくはお前が好きになった人は幸せ者だな」
「...私は暫く恋はしませんよ」
陸羽はウインクする。
それからニコッとした。
それがどういう意味かは分からないが。
まあそれも人生だろう。
女優業が忙しいのだろうし。
「...色々大変だな。お前も」
「私は大変ですよ。乙女ですし」
「でもお前は本当に男が嫌いなのに何で俺だけ接するんだ?」
「それも内緒ですね。禁止事項です」
「お前は朝比奈みく○か」
未来からでも来たのかコイツは。
そう思いながらツッコミを入れると「涼宮ハル○をちょっと文字りました」と笑顔になる陸羽。
因みに言い忘れていたがコイツ...アニメ好きだ。
マニアだ。
「朝比奈さん可愛いですよね」
「劇場版は最高だよな」
「はい。サンタコスですねぇ。あれ最高でした」
「まあ感想としては可哀想だったけどな」
「でもでもまあ選択って難しいですよね」
「そうだな」
アニメの映画の話で盛り上がる俺達。
陸羽は「そういえばキョ〇さんってあれですよね。本名が明らかになってない」と言ってくる。
俺は「そうだな。確かにジョン○ミスとか以外は分からん」と考える。
そして飯を食う。
「しかしジョンスミスって何ですかね?」
「ジョンスミスは名無しという意味らしいで」
「へぇ。パイセン物知りですね」
「何でパイセンなんだよ」
「パイセンですから」
意味が分からん。
そう思いながら俺はプチトマトを突く。
それから俺は食べる。
すると陸羽は「じゃあパイセン」と言ってくる。
俺は「ああ」と言いながら陸羽を見ると口に何か突っ込まれた。
「あーん」
「...歯が折れたらどうすんだ。ビックリしただろ。何をしているんだお前は」
「いや。こうでもしないと先輩食べませんし」
「そりゃそうだろ!はずかし...ってか美味いなこれ」
「チャーシューと出汁をモチーフにしました」
「そうか。野菜と...」
「実家がなんせラーメン屋ですから」
ニコニコしながら陸羽は俺を見る。
俺はその顔を見ながら「...お前の親父さんって最高に格好良いよな」と陸羽に聞く。
すると陸羽は「ですねぇ」とニコッとした。
その顔に「なあ。親父さんみたいに格好良くなるにはどうしたら良いと思う」と聞いてみる。
陸羽は数秒考えて答える。
「...いや。先輩はそのままが良いですし駄目ですよ?今のまま以外の事をするのは」
「あれ?それはつまり俺ポンコツって事かな?」
「ポンコツって訳じゃないですよ」
「じゃあどういう意味だ?」
「禁止事項です」
「...」
お前という。
古泉を呼んでこようか。
そう思いながら俺は額に手を添える。
すると陸羽は「でも」と呟いた。
そして俺の手を握る。
「...な、何をしているんだ。陸羽」
「私、先輩は超、世界で、宇宙一に一番格好良いって思いますから」
「...は、はい?」
「先輩を卑下して無いですからね」
「...そ、それは?」
真っ赤になる俺。
すると陸羽は唇に人差し指を添え「そこはまあ禁止事項です」と笑顔になった。
そして満面の笑顔になる。
俺は俺から離れた陸羽に顔を振って「やれやれ」と呟いた。
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