第2話 お弁当


私のお父さんの美空一鉄(みそらいってつ)は従業員と経済状況の問題で2人でラーメン屋を経営している。

そんな私は将来、ラーメン屋を受け継ごうと思っていた。

だがお父さんは「看板は何時でも復活できるんだがお前の夢はもう時間が無いだろ。お前の夢を優先しろ」と笑顔になって手を取って私を見てくれた。

私はその事に将来の夢を本気で見据えた。

そして私は(アイドルと女優)になりたい事に気が付いた。


その為に私は一生懸命に勉強してお母さん。

天国にいるお母さんの為に死ぬ気で頑張った。

そしてとある時にテレビに出る事が出来た。

それから私は次々とお仕事が入って来る様になりそのまま有名なアイドル兼女優に上り詰める事が出来た。


そんな私だけど...気になっている先輩が居る。

だけどその人は恋人が居た。

だから私は手の出しようが無かったのだけど。

昨日、先輩は言った。


「まあ別れた。奴の浮気の問題で」


そういう感じで、だ。

私は衝撃を受けたと同時に私は(チャンスが巡って来た)と思った。

その事もあり私は今日、お弁当を作った。


先輩に食べてもらいたい、と思っているのだ。

そして歩いていると目の前に先輩が居た。

木村陶冶先輩。

私の...気になっている人だ。


「おはようございます。先輩」

「ああ。陸羽。元気か」

「はい。元気です」


私達はそのまま歩き出す。

そして私は酷く緊張し始めた。

お弁当を食べてくれるだろうか、という感じで、だ。

歩いていると通行人が私に目をくれる。

それは私が有名人という事であろう。


だけど正直、私はそんな視線はどうでも良いと思っている。

いやまあどうでも良いって言ったら駄目なのだろうけど。

だけど私を見てくれる人は1人で良い。

そう思いながら通行人が居なくなったのを見計らって私は先輩に声を掛ける。


「先輩」

「?...陸羽。どうした」

「私、今日ご飯。お弁当を作りました」

「そうか?...ん?」

「これ。食べてください」


私はゆっくり鞄から青色の布に包まれたお弁当箱を取り出す。

それから先輩に渡す。

先輩は赤くなりながら「え?」となっていた。

そして渡されたお弁当箱と私を見比べてから先輩は「い、いきなりどうしたんだ」と聞いてくる。

私は「これからずっとお弁当作ります」と笑みを浮かべる。


「はぁ!?い、良いよ。そんなの悪いし」

「私が作りたいんです」

「女優業もあるだろ。それに...お前は...父子家庭で忙しいだろ」

「その合間をぬって作ります。だけど...たまに冷食を使うかもです。ごめんなさい」

「たまに...って事はまさか」

「はい。今日のお弁当は全て私の手作りです」


「何でそこまでするんだ。...お前の体力が心配だ」と怒る先輩。

私は「そういう所です」とニコッとする。

そう。

私を心配して他人に気を遣い。

優しい貴方が好きなのだ。

先輩は「???」を浮かべながら「へ?」となる。


「内緒です」

「...!?...ちょ、意味が分からないんだが」

「内緒です。乙女には内緒がいっぱいあります。答えませんよ。幾ら聞かれても」


そう言いながら私は口元に人差し指を立てて先輩を見る。

先輩は私の様子に頬をボリボリ掻く。

そして「お前な。無茶はするな」と言ってくる。

私はその言葉に「はい」と柔和に返事をした。


彼女を捨てざるをえなかった先輩。

私が絶対に先輩の心を癒す。

癒してみせる。

そう思いながら私は歩いて行く先輩の背を追った。



「いい加減にしろ貴様」

「...そう言うなって。当山」

「これがいい加減にしろって思わなかったら何なんだ?日本全国各地に謝れ」


俺は友人で腐れ縁の当山信二(とうやましんじ)にお弁当の事を話した。

すると唖然としてそう言い始めた。

「お前はありえない。そもそも女優である高嶺の華だぞ彼女は。男が誰も話し掛けても反応しないのにお前というカスは」とも言う。

言いすぎだろ。


「カスだと?しばくぞハゲ」

「おう。やってみーや。そうしたらこのクラスにネタバレしてやるよ全てな」

「はぁん?」


当山は舌をベロベロベロベロ( ゚Д゚)と出しながら馬鹿にしてくる。

だが次に直ぐに真剣な顔になる。

「まあでも良かったんじゃねーのか。彼女に嫌われたんだろ?」と苦笑する。

奴が浮気したとは言ってない。

まあそれなりに面倒ごとになるかと思って言ってない。

地獄に勝手に落ちるだろうとも思っているしな。


「まあそうだな」

「...ならまあ少しだけ地獄に堕ちたら許してやるよ」

「貴様というハゲは。少しってなんだ?結局俺は地獄行きか」

「当たりめぇだろふざけんな。日本全国のファンに謝れ。特に男性のな。...お前の奇跡はありえなさすぎるんだよこのクソ馬鹿が」


当山は暴走モードに入った。

それから活動限界からのシンクロ率400パーセント越えの様な動きをする。

まあだがその。

北○の拳のト〇みたいな横に動く動きだ。

まあそうは言っても。


「...当山。彼女にそんな気持ちは無いぞ。多分」

「本当か?」

「ああ。...多分な」

「お前それが嘘だったらベクトル反射すっぞ」

「お前はアク〇ラレータか。何か?木原君と闘うのか?スクラップか?忙しいやっちゃな」


「おう。そんな感じだ」とニヤッとする当山。

俺は「なら俺は右手で無効化してやるよ」と言いながら苦笑する。

それから少しだけ他愛無い話をしているとホームルームモードにそれこそ入った。

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