シリア人女性との出会い
僕が中東駐在だった時、僕は1人のシリア人女性に出会った。
彼女は30代後半で少し年上。色白の肌に茶色のミディアムロングヘアー、そして大きな瞳が特徴的だった。
僕は彼女にアラビア語の家庭教師をお願いしたのがきっかけで仲良くなった。
彼女はかなりオープンな女性で、出会ったその日から性について語っていた。
お互いの自己紹介を終えて、彼女の借りていた家でアラビア語を教わった後、2人で散歩に出かけた。
「私の友人のドイツ人すごくてさ、この間ホームパーティした時、片っ端から男にキスしてたのよ。多分一夜で4人の男にキスしてたかな。そしてその1人とセックスしてさ…」
とゲラゲラと笑っていた。
「日本人は性にオープン?」
と、その話の直後に聞かれて少し引いてしまったのを覚えている。
「日本人はヨーロッパよりはオープンではないよ。でも男も女もやりまくってる人はやりまくってる」
「ああ、そうなのね。あなたは?」
「僕はー…。どうだろう…」
僕は恥ずかしくなって答えられなかった。
「あなたかっこいいからモテそうね」
僕は誘われてるのかと思い、返答に困った。
「あなたはオープンなの?なんかシリア人オープンなイメージないけど」
「シリアやレバノンはわりとオープンよ。地域にもよるけど。他の中東の国よりはオープンね」
「そうなのか。知らなかった…」
「私はオープンな方かな。実は彼氏いるんだけどさ」
「え?彼氏?」
「うん、彼は既婚者なの。湾岸諸国から単身赴任で来てて、寂しがりだから夜の相手してあげてるのよ」
僕は唖然とした。
あまりに淡々と言うものだから久々のカルチャーショックでもあった。
「あ、今日友達とバーに行くけど行く?外国人専用のバーだから飲めるよ」
こうして人生で初めて仲良くなったシリア人とは家庭教師と生徒以上の交友関係に発展していった。
僕はバーに行くと彼女の友人のドイツ人女性と3人で飲んだ。
音楽がうるさすぎて会話に集中できなかったが、2人はかっこいい男がいないかと探っていた。
また、僕のために美女も探そうとしてくれていた。
当時僕はメキシコ人彼女との関係が壊れかけていて、後に仲直りしたものの、絶賛一時お別れ中だった。
とはいえ、いつも別れようと言って数日または1週間ほどで復縁していたのでこの時も復縁する可能性は十分にあったのだ。
だから僕は新たな出会いなど気にしていなかった。
「いい人見つからなければ私、僕君と帰ろうかな」
ゲラゲラとシリア人女性に笑われながら言われた。
僕は照れて何も言い返せなかった。
深夜をまわって酔いも回ってくると、僕らは3人で踊った。
一緒に踊ったドイツ人はなかなかうまかった。
ドイツ人と言っても国籍がドイツのアフリカ系女性。40代の少しふくよかな人だった。
酔った勢いで彼女は僕にキスをして、舌を絡めて来た。
あ、これが噂の…と、僕は少し驚きながらキスの相手をした。
一息つくと、シリア人女性と目が合った。
一瞬彼女が悲しそうな顔をしている気がした。
すると「私もやらせて」と言ってすかさずキスをしてきた。
僕は驚きつつも彼女のキスに応えた。
2人からの突然の唾液たっぷりのキスで驚きつつ、僕は平静を保とうとした。
「ねえ、君は彼氏がいるんじゃなかったの?」
僕は困った口調と少しにやけた口調が混じった複雑な声で聞いた。
「いるけどそれがなに?あいつには奥さんも子どももいる。あなたはいないでしょ。なら何が問題?」
僕は彼女のことを好きでもなかったし、正直肉体関係に発展させるほど美人だとも思っていなかった。
ドイツ人女性もそうだった。別に美人ではないしスタイルがいいわけでもなかった。
なんだかキスされたからしただけだった。
キスをしておいてこんなこと言うのもバカみたいだったが、一応僕の立場を説明した。
「昼間も言ったと思うけど、彼女と別れてるとはいえ、いつも復縁してるから多分また復縁すると思ってるし、新たに女性を見つけるつもりはまだあまりないんだよね」
「でも今は別れてるんでしょ?それに彼女いたっていいじゃない。彼女は今あなたのそばにいないでしょ。」
ごもっともの返答だった。
しかし、さて、この後どうするか。正直寝る気はない。
…逃げるか。
そう思って僕はトイレに行ってしばらく籠った。
トイレから戻ると2人は他の男と話していたため、帰るねと一言言って足早に帰った。
僕は自分の部屋に戻るとシャワーを浴びて寝ることにした。
しかし、だ。
寝る前になぜか電話が鳴った。
シリア人の彼女だった。
少し迷った挙句、夜遅い時間で何かあったのかもしれないと不安に思い、電話に出た。
「なんで帰ったの?」
としばらく問い詰められた。
僕が誤魔化そうとしていると彼女は本題に入った。
「今から会いたい」
大きな声ではっきりとした口調だった。
なんだ、無事じゃないかと安心して電話を切ることを考えたものの、
「女が誘っているのにお前は本当に男なのか。性欲ないのか」
と彼女に捲し立てられた。
僕はスルーすると彼女は繰り返し「会いたい」と言ってきた。
僕は彼女の押しに負けてついに住所を教えてしまった。
30分くらい経って彼女はうちにやって来た。
その間、僕は少しそわそわした。
本当にこれでいいのか、迷っていたのだ。
別れたとはいえ、僕には好きな人がいる。
彼女が到着して僕が玄関を開けると、酔っ払った様子はあまりなく、意外と平然とした様子で僕の部屋に上がってキスをしてきた。
舌を絡めてきたので、絡め返した。
そのまま僕は彼女の服を脱がして、僕は自分で服を脱いだ。
彼女の裸を見ると僕は思いもよらず興奮してベッドに行くこともなく、リビングのソファにジャンプインした。
僕のあそこを見るや「え、大きい!」と彼女は目と口を大きく開いて驚いた。
僕は勢いで彼女の身体を揉んですぐ、バックで挿入した。
「大きくて痛い…」
と言うものだから、ゆっくり丁寧に腰を動かすことにした。
それから朝まで何度も何度もヤッた。
その間彼女は何度も「大きいなあ」と叫んだ。
僕は少しご無沙汰なだけあって、好みの女性ではなかったものの、何度も満足するまで求めてしまった。
あれほど最初は躊躇していたのに、情けなくも思った。
すでに日が登った頃に僕らはようやく僕のベッドで眠りについた。
目が覚めると彼女は僕のことをじっと見つめていた。
「あなたかっこいいわ。あなたと寝れて幸せ」
思いもよらぬ言葉に僕は少し嬉しかった。
「日本人の、こんなに大きいと思わなかった」
とくすくす笑いながら、僕のあそこを触りながら再び起こそうとしたので僕はさすがにもう疲れたと言ってやめてもらった。
その日はそのまま2人で過ごしてお別れした。
次に会ったのは週一のアラビア語のレッスンの時だった。
彼女の家で前回同様勉強を教えてもらったのだが、彼女はなんとも不機嫌だった。
「ここ、前にも言ったでしょ!」
怒鳴り散らされる程彼女は不機嫌だった。
「やる気ないなら辞めて!やる気ないんでしょ!なんで勉強する必要があるの!?」
僕は理不尽な彼女の怒りにイライラし始めた。
最初のうちは、堪えた。
僕にやる気がないのは本当だったからだ。
でも僕は趣味程度で考えていたから本気で怒られるのは違うと思った。
だから僕もぶち切れた。
「やめてやるよ、こんなの。下手な教師に払う金も時間もない!」
怒鳴りつけて僕は家を出た。
後になって、彼女は僕にメッセージを大量に送ってきた。
内容は主に、僕に好意はあったものの、僕からの誘いは一切なく、所詮は彼氏同様身体だけの関係になってしまったのが許せないといったことだった。
どうも家族もちの彼氏に雑に扱われていて、男みんなクソだという感情が高まっていたような印象だ。
さらに僕はアラビア語を本気で勉強していなかった。
だから何もかもが茶番だと、どうも彼女は思っていたようだ。
それで怒り喚いたのだった。
僕はそんなことはどうでもよかった。
紛争中の国の人だから丁寧に接するつもりだったが、そんな必要はなかったし、そんなこともできなくなってしまった。
やはり肉体関係までいってしまったのは、失敗だったと後悔した。
とはいえ、仮にあの時断っていても遅かれ早かれ彼女と会うことは無くなっていたと思う。
なんとなく、会った時からあまり話しやすいタイプの人ではなく、初日から家庭教師を変えることを僕は考えていたからだ。
バーにはドイツ人と話してみたかったから行っただけ。
2人だったらきっと行かなかっただろう。
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