盛夏
たんぜべ なた。
お盆前に
ここは、市街地のど真ん中に取り残された寺院と、そこに併設された墓所。
「なぁ、ボウズ。
お前さんは、こんな時期に
本当に『徳のある』事をやっているんだよ。」
そう笑っているのは、
今日は二人で終日、
しかし、これだけの
そう思いながら、墓前に手を合わせてから、掃除にはいる。
来週は『お盆』に突入する…だからこその『墓所の大掃除』なのである。
翻って考えてみれば、お盆に里帰りする理由には、少なからず『お墓参り』というイベントは有ったことだろう。
今では、『お盆』といえば、海外旅行を筆頭に、避暑地観光やらテーマーパーク散策など、非日常を楽しむ期間へと変貌を遂げてしまった。
核家庭化が叫ばれて久しく、お一人様も増加傾向にある昨今、果たして『お墓参り』イベントなどあるのだろうか?
「墓参りを『
複雑そうな顔をして、そう答える親方。
生温い額の汗を拭おうと、首に巻いたタオルに手を添え、視線を上げて見えるのは、澄み渡る蒼い空。
耳を済ませるまでもなく、響き渡る蝉時雨。
乾いた喉を潤すために口に含んだ水筒から注ぎ込まれるのは、よく冷えたスポーツドリンク。
一服ついて、再び雑草達との格闘が再開する。
お昼のチャイムが流れる頃、流石の暑さに蝉も小休止をしているようだ。
お寺からのご厚意で、お昼は
「
親方が大変残念そうな顔になれば、住職が大笑いしている。
さて、来週はどんな『お盆休み』を迎えるとしよう?
海に行こうか、山に行こうか…。
そう言えば、誘うべき友人が何人居るかの確認もしなければ。
盛夏 たんぜべ なた。 @nabedon2022
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