第一話 伝説の剣

ある村があった。

そこに、少し変わった少年がいた。


「今日もここらへんでいいかな。」


他の子供達が遊んでいる中、一人だけ近くの森で薬草を回収していた。

これは、少年の趣味であった。

昔から、薬草を集めるのは誰よりも好きだった。

そうして帰っている途中、少年――ノルクは、道にある剣を見つけた。


「なんだろう。この剣は…」


見た感じは普通の剣だが、どこか品を感じる剣。


「落ちていたし、別に持ち帰ってもいいか…」


その剣を拾おうとした瞬間、近くの茂みから物音がした。

ノルクは、剣を拾った瞬間持ち構える。

茂みの中から出てきたのは、ゴブリン。

この森では出てこないはずのモンスターだった。


「今日は、運が良いのか、悪いのか…」


そしてそのまま逃げようとした時、


『こんな雑魚相手に、汝は逃げるのか?』


「ん?」


握っている剣から声がした。

気のせいだろうか…


『今は、我のことはよい。

汝の頭の中でこう唱えるのだ。

"衝撃波インパクトウェーブ”、と。』


衝撃波インパクトウェーブ

魔法みたいな名前だな?


「それより、お前は誰だ?

剣ではないのか?」


『今はよいと言ったはずだぞ?』


「いきなり、知らない相手にそう言われたら、

誰だってこうなるさ」


そういっている間にゴブリンが攻めてきた。


「今は時間がないみたいだから、その話はあとにしよう。

衝撃波インパクトウェーブ”!!」


そう頭で唱えた瞬間、前に衝撃波が生まれた。

ゴブリンはその衝撃波に当たって消滅した。


「で、お前、誰なんだ?」


『…………』


『代わりに、僕が答えるよ!』


次は活気あふれる声へと変わった。

なんで?


『僕は、ネラマーデル。

気楽にデルとでも呼んでくれたら助かるよ!

それとさっきのは、ガラドニオ。

まあ、ちょっと口が悪いけど意外に優しいから、

すぐ慣れるよ!』


「へえ…」


そうして、喋る剣…デルとガラドニオの二人を、

手に入れた僕は、家へと帰っていった。

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たまたま拾った剣、それは世界を揺るがす最強の剣 @konotti

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