闇を払うのはいつだって"光" 2
「ヒーロータイム」
このままでは、ヴィルトが取り返しがつかなくなると思うと同時に、村の人にも危害を与えてしまう。そんな思いからパクスは覚悟を決めた。
倒すのではなく、あくまで気絶をさせる。そんな感じでいくつもりだ。
「アアアァァァ…」
「くっ!」
ヴィルトと女性の間には入り、パクスはヴィルトの攻撃を止めた。
「ヴィルト!目を、覚ませー!」
そう言い、パクスは威力弱めの
「ー大丈夫ですか!?ここは危険です。ただちに安全なところへ」
パクスがヴィルトと応戦している間、ベレスが村の女性の安否を確認、安全な所へと案内した。
「グオオォォー!」
黒い靄による攻撃。靄が漆黒の槍のような形に変化。そして、パクスめがけて飛んできた。
「ヤアァァァー!」
しかし、ラエティアの魔法により、すべて打ち消された。
「お師匠様、どうするんスか?」
ラエティアが、ヴィルトに警戒しつつ聞いてきた。
その言葉に対し、パクスは一瞬「ーッフ」と笑い
「ラエティア、もし仲間が死にそうだったらどうする?」
「どうするって言われても…お師匠様だったら、何が何でも助けるッス」
「今、そんな事態だ。俺じゃなくヴィルトだが…助ける。もし、自分の仲間が間違った方向に進んでしまったら、正しい道を歩かせるようにする。それが仲間だ」
「ー!さすがお師匠様!じゃあ、ヴィルトを何が何でも助けるッス!」
とは、いってもパクスの中では一つヴィルトを救う考えがあった。
「ラエティア、とにかく時間を稼ぐぞ!」
「ー!了解ッス!」
パクスの提案にラエティアはすぐに従った。
…………
「ここなら、たぶん安全です」
「ありがとうございます」
村の女性を安全な所へと案内したベレスはすぐにパクス達のもとへ戻ろうと思っていた。
(けど…いったいどうすれば、ヴィルトを…)
ヴィルトを元に戻す方法が分からず、悩んでいると
「…はぁはぁ、ベレス、さん!遅くなって、すみません!」
「ー!?」
思わぬ人の登場に、ベレスは呆気にとられた。
…………
「お師匠様ー!疲れたッスー!」
「頑張れよ!ヴィルトのために!」
パクス達はいまだにヴィルトの攻撃を防ぎ、時間を稼いでいた。
「フゥゥゥー!」
さっきまでとは違い、ヴィルトの雰囲気が変わった。
「ー!?」
咄嗟のことだったが、パクスがラエティアの所へと移動し、
「どうすれば…」
「ーー!」
ラエティアの言葉に反応…ではなく、【力】により周囲を感知していたパクスは気づいた。
「やっと、きたな」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます